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36  作者: 川之一
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26. 怖い番力


 二人がこちらに来るまでまだ距離はある。

「すいません、もう一つだけ二人が来る前に聞きたい事があります」


 ロキョウは不思議そうにこちらをみていた。

「何だい?」

「審判のコインをオレに渡せば、ロキョウさんの6番力は使えなくなりますよ。それはいいんですか?」

自分がそう聞くと、ロキョウはすぐに頷いていた。審判のコインを自分に渡すことを少しは躊躇しているのかと思っていたが、すぐに頷いたロキョウを見て驚いていた。


 ……何故、そんなにも簡単に手放せるのだろう。


 「ハハ。何故簡単に手放せるかって?」

また心で思っていた事を読まれてしまった。改めて考えると6番力はかなり厄介だ。心の中で常に何も考えずにいることなんて自分には出来ない。ロキョウが審判のコインを渡さずに、お互い殺し合うことになっていたらと想像してみる。

〈うん、負ける。絶対に勝てん。無理〉


 "人の心を読める"6番力。


 物を触らずに動かせる36番力とは違い、恐ろしい力なのかもしれない。そして、忘れてはならないのが……これが6番の番力だということだ。5番から1番まで選ばれた人達はどんな番力を使うのだろう。


 「心のうちを読むのは良いことじゃないね。知らなくてもいい事まで分かってしまう。私には必要ない」


 自分に6番力があったら間違いなくミリの心を読みにいっていた。

〈おいおい、やめてくれよオレ。オレはそんな変態じゃない。そうだ、オレは普通だ。読みたいと思っている〉

不気味な笑みを浮かべながら話を聞いていると、ロキョウは小さな笑みを浮かべた。

「それに君のやる事を応援してみようと思ってね。36枚、是非集めてみてくれ。最後に選ばれた36番ザンツィル。それと変態な考えはやめておきなね」


 〈……こえぇよ、6番力〉



 サングラスの下の自分の目は真っ直ぐ前を見つめた。

「全部集めてみせますよ。このオレが盗れない物なんてないからな」



 ダラメットは机にアイスコーヒーが入った紙コップを置くと自分の隣の席に再び座る。ミリもコピーしてきた紙を自分達に手渡してきた。紙には"誓約書"と書かれている。ロキョウは自身の両手を軽く叩いた。

「さてと、本題に戻ろうか。君達に頼みたい依頼内容は、想元山(そうげんざん)にある旧五野八(ごのや)トンネルの奥を見て来てほしいんだ」

何故トンネルの奥なんて見に行くのだろうか。ロキョウ達が行けばいいのでは? と思ってしまう。"旧"と付くということは、今は他に新しいトンネルがあるということなのだろうか。


 「ま、待ってくださいっす。それって、あの有名なトンネルっすよね? 変な事が起きまくるっていう……」


 ……何故かダラメットの両手が震えている。


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