表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36  作者: 川之一
36
18/745

18. TB大好きダラメット


 自分の愛車は、"Srun(スカイラン)"という車名の車だ。


 アミトレアでは有名な車メーカーの一つである"スカイラン社"が製造している。自分が乗っているのはタイプ8という少し古めのタイプで、最新タイプは11まで販売されている。六年前、自分がカジノで大儲けして買った初めての車がタイプ8で、思い入れがあるだけに最新タイプにするつもりは全くなかった。


 どうやら、エネゼナはタイプ8が発売された時からCMに出演していたようだ。その時からTB(トップビューティーズ)の一人だったのだろうか。TB(トップビューティーズ)になるための基準とは何なのだろう。そんなに凄いモデル達なのか自分にはさっぱり分からなかった。


 〈待てよ……〉

ふと、思う……自分もなれるのでは?


 ロビーに設置されている無料のドリンクサーバーからアイスコーヒーを持ってくると、ダラメットは正面に座った。

「なぁなぁ、オレもTB(トップビューティーズ)になったら凄いと思わね?」

「ぶほっ!!!!」

ダラメットは飲んでいたアイスコーヒーを吹いた。首をあり得ない速さで横に振っている。

「アハハハハ! 笑わせないでくださいっすぅ〜兄貴〜! 冗談きつすぎっすよぉ〜!」

笑っているダラメットの胸倉を掴んだ。

「なぁ〜にが、そんなにおかしいんだ?」

大きく口を開けたまま、ダラメットは自分を物凄い形相で見ていた。


 ……三分は経っただろうか。


 まるで石像になったかのように、ダラメットは唖然としたまま喋ろうとしない。モヒカンを潰そうと強く叩いても反応がなかった。

「おーい、帰ってこーい」

「ハッ! 危うくザン兄貴の所為で意識が飛ぶところだったす! 危ねぇっすぅうう!」

意識が飛びかけていたダラメットをおいて、中央依頼店(オーダーセンター)を出ればよかったと後悔する。


 アイスコーヒーをゆっくりと一口飲むと、ダラメットはこちらを睨みながら話し始めた。

TB(トップビューティーズ)になるには、いくつものオーディションをクリアしなければならないと雑誌で見たことがあるっすよ。その中でも、物凄く厳しいおっさんがいるっていう噂らしいっす」

「へぇ〜」

鼻に詰めていたティッシュを抜いた。


 「何人もの"夢"を潰してきた人物らしいっすからね……そのおっさんから合格を貰えた人達は、オーディション中でも号泣だったらしいっすよ」

「ふ〜ん」

ティッシュをゴミ箱に捨てた。


 ……殺気を感じる。


 ゆっくりと視線をダラメットの方へと向けた。ダラメットは不思議なオーラを纏いながら、こちらを鋭い目つきで見ている。

〈まさか……間違いない‼︎ こいつはTB(トップビューティーズ)ファンの中でもガチな奴だ‼︎〉


 「アニキィ、キイテタッスカァ?」

不気味な笑みで、こちらを見るダラメット。

「あ、ああ、当たり前じゃん! オーディションは大変だよなぁ! うん、分かる分かる」

紙コップを持っている右手が震え、中に入っているアイスコーヒーは小さく揺れていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ