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36  作者: 川之一
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156. 謎の廃墟



 ─────



 ──ドン!


 「うぉらぁああ‼︎」


 ──ドン!


 何度もドアに体当たりをするが開きそうにない。

「や、やっぱりダメかぁ〜‼︎」

疲れてしまい、ドアを背に凭れ掛かりながら座り込んでしまった。


 ウルフ達が出て行ってから五分は経っただろうか。急がないとデアを助ける事が出来なくなってしまうかもしれないと考えると、この部屋から出る方法が思い付かず焦りだけが出てきていた。

「酷いよなぁ、手錠ぐらい外してくれたっていいじゃねえか! ウルフの野郎、絶対に許さねぇ」


 どうすればいいのだろうか……補助錠はドアの外にある。ドアの上にはモザイクガラスの小さな窓があり、誰かがこの部屋の前を通ったら影で気付きそうだ。もし、通ってくれたら助けてほしいと呼びかけられるのだが。


 こんな廃墟に人が来る筈が無いだろう。


 再び閉じ込められている薄暗い部屋を見回してみる。高い壁の上の方に窓があるが、身体が通れる程の幅は無い。何より手錠をかけられている所為で、壁を登る事なんて出来ないだろう。


 後は木の廃材とゴミ袋が置いてあるだけで何も無い。

「ダメだ、逃げ出せる方法が無い。くっそ‼︎」

審判のコインを置いてきた事を後悔していた。

「……何やってんだよ。本当」


 ──カタン


 「⁉︎」

慌てて立ち上がった。気の所為……だろうか? 部屋の中から物音が聞こえた気がしたのだが。


 ……部屋には自分以外、誰もいない。


 「おいおいおい、何だ何だ⁉︎ な、何の音が鳴ったんだ⁉︎」

何かがぶつかったような音だったが……警戒して辺りをよく見てみるが、何かが動いたような形跡は無い。

「聞き間違いだ、絶対にそうだ。疲れてるんだよ、オレは。休め、オレ。……はぁぁああ」


 大きなため息をつき、ドアの方に顔を向けた。

「ん」


 ……ドアの窓に黒い影が映っている。


 誰かが、こちらを向いてドアの前に立っている? 髪が長い女性のように見えるが。


 思いっきりガッツポーズをした。

「ぃよっしゃぁあああ‼︎」

中に自分がいると気付いてもらう為に、急いでドアを叩く。

「何か分からねえけど誰か来てくれたんだな! なぁ、外にある鍵を開けてくれないか⁉︎ 出れなくて困ってるんだ!」


 「……」

何故か女性は喋らない。もしかしたら、不審者だと思われ警戒しているのだろうか。確かに、こんな廃墟に人が閉じ込められているのも、女性から見るとおかしいと思うだろう。

「頼むよ……オレはこの部屋から出たいんだ。変な奴じゃないから安心してほしい、何もしねぇから」


 「……」

やはり、返事が無い。


 「?」

耳をドアへ近付けると、女性は何か小声でボソボソと言っているようだ。


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