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36  作者: 川之一
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151. 注視するナノン


 物凄く痛む右腕を見てみると、踏まれている部分に大きな青あざがある事に気が付く。

〈この野郎、青あざがあるところをわざと踏んでやがる! ふざけやがって!〉


 蹴られた時の衝撃で、防いだ右腕に青あざができてしまったのだろう。右腕の青あざができている範囲が大きいので治るのにも時間がかかりそうだ。暑い夏の季節に長袖を着るわけにもいかない……右腕を晒したままの状態でいるしかないだろう。

中央依頼店(オーダーセンター)に行くのに、どうやってミリちゃんと会うんだよ……。情けねぇ……〉

ミリに会うのに、怪我している姿を見せるわけにもいかないだろう。どうしたんですか? なんて聞かれるような情けない状況だけは絶対に避けたい。


 ナノンは怒った表情でウルフからライトフォンを取り上げる。呆れた表情でウルフはナノンを見ると黙ってしまった。

「ボスに会わせるとか簡単に言わないでなの。私は許さないし、ジェネレーはどう思うなの?」

「いや、俺はザンベールに会ってないからぁ。盗みが上手いんだっけ? あんまり、力にはならないんじゃねぇかなぁ〜」

「じゃあ、殺そうなの」

速答だった。


 〈何でそうなる⁉︎〉

何が何でもナノンは自分を仲間にしたくないようだ。


 ……と言うより、自分の左眼が欲しいだけなのだろう。


 奪略商(クラムダータ)のメンバーは変わった人達ばかりだ。まだ、スールイティ団の方がまともな人が多い。こんな変な人達と仲間になんて絶対になれないだろう……。


 「まだ、実力も分からないだろ。殺すとか勝手に言うなよ」

再びウルフが言い返すと、ナノンは不思議そうに首を傾げていた。

「ウルフどうしたなの? いつもはそんなに優しくないなの」

確かに、ナノンが自分を殺すと言う度に反論しているような気がするが。


 ウルフは下を向いて自分を見ると、考え込むような表情で話し始める。

「どうも只者じゃないような気がするんだよ。殺すのが惜しく感じるというか……ヤング、もしかして審判のコインを俺が教える前から知ってたりしないか?」


 〈へ?〉


 ナノンの自分を見る目付きが鋭くなっていた。何故、審判のコインを知っているかもしれないと分かったのだろうか?


 知っているなんて絶対に言ってはいけない。

「知らないですよぅ! 昨日のあの綺麗なコインですよね⁉︎ オレ、初めて見ましたから、知らないですぅ‼︎」

心臓の鼓動が早くなっていく……焦りと緊張が限界な状態だ。だが、目を泳がせてはいけない、黙り込んではいけない。


 ナノンがこちらの動きを注視しているからだ。


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