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36  作者: 川之一
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1. とんずら



 「ちょろいなぁ」


 海沿いの道路で車を走らせながら、金色に輝く金貨を天井に向けて指ではじいた。助手席には大量の袋と共に金色に輝く金貨が見えている。


 風に靡く濃い茶色の短いゆるふわ髪に、黒いサングラスをかけて今日も依頼を受ける青年。


 難しい依頼と聞いていただけに楽しみにしていたのだが……。

「警備が緩すぎだろ〜。あーあ、もっと難しいかと思ったのになぁ〜」


 依頼は"とある王"の全財産を盗ること。


 だが、全てを盗ることはしなかった。治めている国の行政が良くなかったとしても、その王には幼い子供がいた。


 侵入した部屋で見かけた写真立てに手を止める自分。


「まさか、王様の財産を盗めと言われるなんて思わんでしょ。まぁ、オレを罠に嵌めようとしたんだろうけど」

中央依頼店(オーダーセンター)で受けた最も高額な裏依頼の一つで、この依頼が成功すれば二年間は働かなくても済む程の報酬金を受け取れる筈だった。


 砂浜に車を停めて、助手席にあった袋を持ち海の方へと向かった。暑い日差しが照りつける中、更に浜辺の奥へと向かう。


 岩場の奥に着くと金貨が入った袋を全て海へ放り投げた。


 「依頼は失敗、とんずらしちゃおっと」



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