空を眺めて　

　祖父母の営む喫茶店『はからめ』で働く晶（あきら）は、店先でチンピラに暴行を受けていた青年、アオイを助ける。実は、アオイが音大受験に失敗し家出をしてきていることを知り、傷が治るまで空き部屋があるからと自宅に住まわせる事にする。
　一緒に暮らすことで、いろいろと話をするようになり、共通する部分があることを知り親近感を持つが、同性愛者であることを言わずに時を過ごしていく。
　一方アオイは、傷を治すと共に、荒んだ状態の自分に手を差し伸べてくれた喫茶店店主夫妻と晶へ、お礼も兼ねて喫茶店の手伝いを始めることに。傷が完治するころ、この先も『はからめ』で仕事をしたいと申し出て、正式に晶と同じ従業員となる。
　アオイが従業員になっても、二人は共同生活を続けていき、しだいにアオイに対する晶の気持が変化しはじめる。過去、同性愛者というとに興味本意で近づいてきた同級生とトラブルになり、それ以来誰かを好きになる事を避けてきた晶だったが、アオイへの思いに気づいた時、近すぎる距離に戸惑い、離れることを決意する。