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後悔

作者: 箱

ようやく春休みに入った二月。辛かった大学一年も終わりを迎えた。

先生「春休みに入るということでまた2年になっても顔を見れることを楽しみにしています。」

何度聞いた言葉だろうか。おれのようなクラスの端にいる陰キャラにとってはどうでもいい。楽しみにしています?おれは楽しみじゃない。お前らみたいな言葉だけの教師、上面だけの友達関係、そんなもの全部どうでもいい。帰ったら寝るか。

隼人「ただいま」 

母「おかえり」

隼人「寝る」

母さ「そう。おやすみ」

おれと家族の関係は冷めている。大学へは進級こそできたものの、さぼってばっかりでギリギリという感じだ。学校へいっても聞こえてくるのは、まだいたんだ。やめてなかったんだそんなような言葉ばかりだ。そんな言葉が痛むかって?もう慣れたよ。それは最初は少し痛かったが、そんな奴らが惨めに思えてきたんだ。どうでもいいやつに興味持つんだなって相当暇なんだなってね。あいつらは相当可哀想なやつだ。


隼人「おはよう」

母「おはよ。よく寝たね」

よく寝た?あーもう昼の12時か確かによく寝たな。

隼人「飯食うよ」

母「わかった。待っててね。」

母との会話は必要最低限。冷めているといったが冷めきっているといったところか。会話ができるだけで十分だと思っている。

母「はい、できたよ。」

隼人「ありがと」



隼人「ごちそうさま」

ガチャ父が帰ってきた。 

今日は早いんだな。父と母毎日お酒を飲んでいる。心配になるほどにだ。父はやめなければなと言い続けて何年になるだろうか。その言葉を聞いたやめた試しはない。たまにリビングにいってテレビを見ると聞こえてくるんだ。もう死ぬのかもなってね。確かにそうなってもおかしくない。毎日500mlの缶ビール7〜8本だ。心配にならない方がおかしい。こんなおれでも心配するんだ。本気で心配しているんだ。こんなおれでもこの感情だけはちゃんと残っている。母との会話ができるだけでも十分だというのは父とはしばらく喋ってないからだ。でも前に一度だけ言葉を交わした。

隼人「病院で診てきたら??」

父「いいのいいの。自分の死ぬ時期ぐらいわかってるから。」

そんな会話だったな。あの日は明らかにおかしかったんだ。急に腰を痛め始めてね。だから聞いたんだ。でもダメだった。それも運命なのかって思ったよ。


次の日父は突然逝ってしまった。

こんなにあっさりしてるんだな。涙が出なかったんだびっくりしたよ。会話もまともにできなかったな、時間を無駄にしているのはおれだったのか。他人ばかり罵倒して勝ち誇った気でいてそれでおれは、、、おれが1番可哀想なやつだったんだな。父との別れもまともにできない。どうしようもないやつだ。


たまに思う時がある死ぬのが怖い。誰もが経験するだろう。でも考えるのをやめた。考えれば考えるほど恐怖はます。でもその先はきっと幸せだと思っている。こんな状況のおれでもいずれ父には会える。その時に色々話そう。


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