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かわらないようで変わった  作者: 中村ある
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春~名前~

人生初めての一目惚れをして早くも1か月が経つ。というのに私はその人の名前を知らない。

そればかりか、この気持ちを自分以外に知る人はいない。いろいろと考えすぎる性格は本当に厄介である事をもうすでにこの時には感じていた。

人に好意を抱いた時にどうすればいいのか、その人とお近づきになるにはどうしたらいいのか同級生に話して盛り上がり青春を謳歌するか、同級生に話したとたん狭い田舎のコミュニティーであっという間に学校中に広まり大切な時間を失うのか。頭の中では現実的になるのは後者だと結論の上の現在だ。

すべて考えすぎ。


1か月経ったという事で終礼の時間で席替えが行われた。クラスは席替えですごく盛り上がっている。

順番にクジを引き新しい席が決まり移動が始まる。私の席は廊下側の列の真ん中になった。

私の隣の席は、背が低くおふざけが好きな杉田くんだった。杉田君とは結構話す仲であった。杉田君のお姉ちゃんと私の姉が同級生で仲が良かったのもある。

ふと杉田君になら、その人名前を聞くことができるかもと思った。


次の日の昼休み、杉田君が給食を食べ終わって外に遊びに行くのを呼び止めていた。

「ねえ、杉田。3年の先輩の名前詳しい?」

「えっ?人によるけどなんで?」

「いやそこでバスケしてるメンバーで一人だけ名前知らん先輩いて気になってさ。知ってる?」

「どの人?」

私は無言でその人にバレないように控えめに指を指した。

「あー。内山君だよ。サッカークラブ一緒だった。」

「そうなんだー。ありがとう。」

私の思った通りに余計な事が起きずその人の名前を知ることができた。

とても小さな一歩なのにそれだけで、大きな一歩を踏み出せたように嬉しかった。


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