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受刑生活 分類編4


安全十訓のテストが終わってしばらくすると、午前の労役が終了した。


「作業やめぇーーーー」


刑務官の大きな声が舎房に響く。

刑務官はどの刑務官も例外なく舎房の隅から隅まで響き渡るくらいの声量を持っている。刑務官は軍隊のように、定期的な発声練習を行なっており、入りたてで声が小さい新入刑務官は何度もやり直しをさせられるらしい。


終了の合図を聞いた囚人達が大急ぎで道具を片付け始めた。やはり手際が良い。


部屋の隅にはプラスチック製の長方形の透明な箱が3箱あった。その箱に出来上がった紙袋、手を付ける前の綺麗な紙、糊やゴリなどの道具をそれぞれ分けていく。全て仕分け終わると、囚人達が扉の前にそれらの箱を並べ始めた。その後、扉の前で彼らは正座し始めたので、俺も同じように正座した。


少し経つと、遠くからガラガラガラと音が鳴り、しばらくしてドンという衝撃音が聞こえ始めた。ガラガラガラ…………ドンという音は段々こちらに近付いてくる。

これは刑務官と雑役が紙折り用の道具を回収するために、各部屋のドアを開け閉めしている音だった。回収といっても、ここの舎房では道具を入れた箱を部屋から外の廊下に置くだけだ。


俺が今いる9室は後半の方だから、回収されるまで時間の余裕がある。回収が最初となる1室は急いで片付けしないと回収の時間に間に合わなくなり、刑務官から怒号が飛ぶらしい。


9室の扉がガラガラガラと開いた。刑務官が監視する中、一番席と思われる部屋の囚人が雑役に道具の入った箱を手際良く渡していく。この時、雑役の顔がちらりと見えた。マスクをしていて、顔の全体は分からないが、40代くらいの中年のおっさんのようだ。背は170cmないくらいで小柄だがかなり筋肉質だった。


雑役が道具の入った箱を回収し終えると、刑務官が扉を閉める。刑務官が「お疲れさんっ」と小さくも響く声で労いの言葉をかけ、ドンと扉が閉まった。


この刑務官はダントツの厳しさで囚人皆から嫌われていたと言ったが、彼だけが作業後に「お疲れさんっ」と労いの言葉をかけるらしく、「それが良い!癖になる!」と一部のベテラン囚人には人気があることを後日知った。


「作業終了ぉーーー!」


刑務官の大きな声が響き渡ると、居室内の緊張感がなくなった。囚人達もリラックスした表情になっている。ただ、ゆっくりしている訳でなく、テキパキと昼ご飯のために机や食器を準備し始めていた。未決の時にいた居室と同じように、収監されている間に皆仕事が早くなるようだ。

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