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◾️閑話 拘置所に入るということ◾️


拘置所入所初日の話が長くなってしまったな。

申し訳ない。

でも、これには俺なりの理由がある。


俺は捕まった時、拘置所に入る前、刑が確定する前など知り合いに拘置所や刑務所について色々と調べてもらった。中の生活やこれからの流れなど不安は尽きなかったからだ。


でも詳しいことが書いてある本は少ない。実体験などもインターネットにはあるが、やはり少ない。もちろん皆無ではない。例えばホリエモンの獄中体験記は非常に参考になったし面白かった。ただ、日本では拘置所・刑務所の中の様子や捕まった後の流れを知る手段があまりにも少ないと俺は感じた。


俺がそういうのに疎かっただけかもしれない。でも冷静に考えれば、拘置所・刑務所側から情報を発信することはあまりないし、捕まった側からも発信はなかなかしにくい現状がある。


まぁそんな理由で、俺は自分の経験と考えを語りたくなったんだ。

最初のテーマに戻る訳だな。ここまで俺の話についてきてくれているなら嬉しい限りだ。何度も言うが、飽きたらページを閉じて構わない。


何でも「初めて」というのは一大イベントだ。

入学式、性体験、就職、結婚…

最初は印象が強いし記憶に残るものだろう。

初日を詳しく話したのもそれが理由だ。


俺らのとっての「初めて」を考えてみてほしい。

逮捕、留置所行き、取り調べ、拘置所移送、裁判、刑務所生活…

一般人が経験することのないものばかりだ。

というか経験してはいけない部類だな。

当然、俺も二度と経験してはいけないと思っている。


でも世の中には、その経験を繰り返す奴らがいる。

累犯と呼ばれる犯罪者だ。拘置所生活では、この累犯の存在も含めて語りたい。


俺の拘置所生活は7月初旬から始まった。

ここでの生活は意外とすぐ慣れた。

多分、考える時間が沢山あったからだろう。

特に就寝時間。


留置所でもそうだが、拘置所の就寝は21時となっている。起床は平日7時、土日祝日は8時。

睡眠時間に10時間近く充てられているんだ。

そんな時間ずっと寝てられる人間はあまりいない。

結局、寝れない時間は考え事をして過ごすことになる。


「俺はなぜあんな事をしてしまったのか」

「これからどうなるだろうか」

「友人は犯罪者の俺をどう思っているだろう」


「俺はどうすれば良いだろうか」


それはもう色んなことを考える。

留置所では、考えすぎて眠れない奴や泣く奴を見かけた。気持ちは分かる。俺も逮捕された時は絶望して、しばらく自殺を考えていたからな。


でも拘置所に来た時は逮捕から時間が経っている。

気持ちも落ち着いてきて、これからの事を考える余裕が出てき始める頃なんだ。

余裕があるから拘置所生活に馴染む努力もするし、周囲の囚人も同じ境遇だから協力的だ。

だから、ここでの生活にすぐ慣れたんだろう。


せっかくだ。

拘置所の主なスケジュールを教えよう。

7時     起床

7時10分  朝点検

7時30分  朝食

12時    昼食

16時    夕食

16時50分 夕点検

21時    就寝


室内の運動時間は9時30分、15時、18時からで、30分ずつ3回設けられている。この時間はFMラジオが止まり、代わりにエクササイズのお姉さんの声が聞けるんだ。ちなみに運動時間以外に筋トレなどの運動をすることは禁止されている。見つかれば懲罰だ。


平日は規定の運動時間以外に、屋外での運動時間もある。これは舎房ごとでローテーションがあるから毎日時間と場所は変わるが、屋上に行ってランニングや縄跳びなんかができる。他の部屋の囚人と話せる唯一の時間でもある。

場所はA棟からD棟のどこかの屋上だ。どこに行くのかはその日まで分からない。ただ、舎房ごとで行くからメンバーは毎回同じだ。


ちなみにこのスケジュールは平日のもの。

土日祝日は8時起床、8時10分点検、8時30分朝食となる。朝の予定だけ一時間だけズレる訳だ。

土日祝日は刑務官もゆっくりしたいんだろうな。



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