来客
「リーシー。コーラとポテチー」
「はいはい、神様お待ち下さい」
「はいは、一回」
「喜んで!」
リシが3時のおやつを持ってくる。私は、それを堪能しながら思う。友達って、便利だなー。こんな事なら早く作るべきだった。
己の迂闊さを呪いながら、ピンロ~ン♪と、鏡を見やる。
「おろ?同業者かしら?」
鏡に映ったのは、着流しの紫の羽織りを纏った、切れ長の目をした美人の身長の高い女性だった。女性がこちらを見る。目が合った。
うそっ!?
「お久しぶりです氏神様。いえ、神様としては初めましてでしょうか?憶えておられないと思いますので名乗ります。私、流と申します」
ええっ!?知り合いだった?
えー、こういう時どうすりゃいいの。ほんとの来客なんて初めてだから、勝手がわからないや。
「リシ!リシ!ど、どうしよう!?」
「神屋に上げちゃっていいんじゃないですかねえ?とりあえずお茶用意しますね」
「こ、このしょせんレアー!!」
とりあえず格好をつけよう。よく来た。上がりませい。と低い声を作って流を神屋に上げる。テレポした割りに、流は驚きの表情を見せず、むしろ落ち着いた物腰で、手を畳につきお辞儀する。
「改めてお久しぶりでございます、神様」
「う、うむ。くるしゅうない」
私は、威厳をだそうとしたけどこの風貌では、どうにも似合わない。正座の脚がしびれたから、脚を少し伸ばして......。
「うふふふ。美琴様。地が早くも出てしまわれてますよ」
しまった......!
格好つけるつもりが、只の幼女まるだしにしてしまった!
ん?流の様子がおかしい。ククク.......!と、震えている。そ、そんなに可笑しかった?は、恥ずかしい.......!
「申し訳ありません、神様。我慢したんですけど.......限界です!」
流がガバア!と、私に飛びついた!と、取り付くつもりか!
やはり、神屋に上げるべきではなかったか!
しかし、流は、私の頬をほおずりして狂喜.......?している?
「あ~ん、可愛い、神様ちゃん最高~♪巫女で幼女なんて反則よ~!赤ちゃんの時も可愛いかったけど、少し育ったこのぐらいの年代が1番可愛い頃よね~♪」
「たーしゃこら!!」
即座にはね飛ばした。
怒りと興奮と若干の恥ずかしさで体が熱い。
ほんっっっっと、ロリコンばっかだなあ!!ええ!?おい!!
「うふふふ。一次的接触で玉のような汗をかく神様ちゃん。素敵ですわよ?」
神様始めてから、初のピンチかもしれない私だった。
続く