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隣の神主さん




胸がモヤモヤするな。モヤモヤ通りこして、胸焼けしてきた。答えは、書こう。隣にいるこの人を感じて書こう。幼女の神様の話しだ。


いつもの紙氷神社に戻って、参拝者もちらほらと、ちょうどいい人数が訪れて、木漏れ日あふれるいい日よりの中、神主さんが境内をホウキで掃いていた。


........神主さん。いたんだよね。いたんだけど、どーも影が薄いというか、キャラが立ってないというか。


まあ、変態の色濃いいこの町の神社なら、仕方ない事なのかも知れないけど。まあ、今さらながらも神主さんに日頃の感謝を込めて、改めて注視したい。



白髪のスポーツ刈りに、水色の袴と白の浄衣を着こんで、壮年の男性で。柔和な笑顔で、本当に良い人というのが、顔を見て伝わってくる。


なんというか.......。まだ幼女の私だけども、今まで見てきた人間の中で1番まともそうな気がする.......。いや、神主さんだから、そうであってもらわなければいけないんだけども。

いや、普通に良い人で良かったと、素直に思おう。何を期待してんだ、私。変態じゃない。私は変態じゃない。


コーヒーでも飲んで落ち着こう。

幼女なのにブラックなんて飲んで、全然幼女らしくないですね、神様。そんなリシを無視しようとしたら、こぼしちゃった、あっちっち。

現実逃避してるからですよ、見た方がいいですよ。

わかってる事言わないでよリシ。神様だけど、幼女なんだから、勇気いるのよ、これでも。



「私は、この神社の神主であってよかったと思います、神様。どーしようもない、ろくでなしの私が最後に行き着いたのが、この神社です。私は、この神社のためならば、と思いましたがこの前までの、困窮した時の神社は、どうすることもできませんでした。それでも。それでも私は、この神社に尽くしたいと願います。使命としています。義務にしてはいけない、使命を感じています」


なんか、こせばゆくなってきた私。

いや、そんな。そこまで思われてたなんて逆に、影薄いとか思っちゃって、申し訳なくなってくる。



神様らしくない私だった。いや、幼女だし。



都合のいいときに、幼女使うの駄目ですよ?神様。

リシが、手厳しい。今度、照れさせてやろう。


神主さんは、黙々と境内を掃いていた。

そんな神主さんでよかったのだと、私は心の底から思ったのだ──


続く



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