異世界転移2
老人の家に入ったところ一人の少女が椅子に座っているのが見えた
姿を見たが、歳は自分と変わらない見た目。
この世界観とは似つかない、ワンピースを着ていた。
「あっ・・・、貴方もしかして」
少女がこちらを見た途端声を挙げた。
「こんな手紙が来たんじゃない?」
ポケットから一通の手紙を取り出した途端、孝雄の頭の中にこれまでのことが浮かんできた。
「・・・そうだ、手紙だ!!」
”「中島孝雄様へ」”
宛先も消印もないこの手紙にはそれだけ記載されていた。
どうやってここに着いたのか、誰からのものなのか、それすらも判らない手紙が郵便受けに入っていた。
14歳、中島孝雄。いつものように学校へ通い、いつものように下校する。なんの代わり映えもしない1日。
「なんかないかねぇ・・・」
なんとなくつぶやくも当然何か起こるわけでも無く、なんとなく自宅に着いてしまう。
いつもは郵便受けの中など確認しないのだが、今日は何となく気になってしょうがない。
郵便受けをガサゴソ・・・よく親が机の上に置きっぱなしにしてあるチラシが数枚。
その中にただ自分宛であることしか書かれていない手紙が一枚。
しかし、空白の目立つその手紙から目が離せなかった。
裏面には何も記載がないのか?裏面を覗いた瞬間、眩い光が周囲を包み気づけばここに横たわっていた。
”お願いです、助けてください”
そんな言葉が頭に浮かんだ。
そんな昔の事を一瞬で思い出した。急にたくさんの事を思い出したせいで少しめまいがした。
あの言葉は何だったのか。
「ああ、持ってるよ」
ポケットから手紙を取り出した。
「やっぱり!ここら辺の人が着てない服だったから、間違ってなくて良かった!」
「なあ、この手紙の事。何か知ってるのか?」
「・・・ごめんなさい。知らない。こっちが聞きたいくらい」
「・・・そうか。」
結局謎は解けずじまいで落胆していたところ、老人と女の子が横からコップを持ってきた。
「お二人さん、話は一旦やめてミルクでも飲まんかね?」
「飲まんかねー」
疑問は残ったが孝雄たちは一旦落ち着いてミルクを飲んだ。