第1話・ご臨終
こんにちは「竜髭菜」です。
これからよろしくお願いします。
誤字脱字のご指摘宜しく御願いします。
いつもと変わらない日常。
いつもと変わらない光景。
いつもと変わらないはずだった。
そうあれが起こるまでは……。
ー今から遡ること15分ー
俺の名前は石上春介。
容姿端麗、頭脳明晰+超能力。
いわゆる超人である。
ちなみに大学院生。
気の合う仲間と楽しい大学生活をしている。
満員電車乗って大学に向かっている。
そう、その電車が原因だったのだ。
電車でハイジャックが起こった。
その程度なら動じない。
超能力を使えば誰が相手でも勝てるのだ。
しかし、時間帯が悪かった。
超能力の中に常時発動している能力があり、それが思考を読めるというものだ。
1両に140人ほど乗っている。
それが、10両。
約1400人。
要するに1400思考の中で、ひとつの思考を見つけるのは大変だ。
ーハイジャック犯ー
現在、ハイジャック犯が拳銃を運転手に突きつけていた。
「おい!」
「は、はい!」
「スピードを上げろ」
「しかし、このまま行けばホームに」
犯人は線路のボルトを外しているのだろうと想像した運転手。
ホームの手前にはカーブがあり、スピードをあげると横転し、ホームに激突して電車を待っている人や、乗客を死なせてしまう可能性が高い。
「黙れ!殺されたいのか」
自分が死んだとしても乗客が死ぬ。
スピードを上げても乗客が死ぬ。
この状態で自分が出来ることは犯人を刺激しないことだと運転手は思った。
「はい、分かりました」
鍔が外れないよう絶妙にスピードを上げる運転手。
「大丈夫だ。ホームまで届かない」
「それはどう言うことで……」
運転手が言い終わる前に運転手の頭に穴が空く。
乗客が騒ぎ出す。
その騒ぎを起こした犯人が、また騒がす発言を
「このまま全員が『爆死』だ。」
レール上にスピード感知式の爆弾が設置されている。
爆弾まで約七百メートル。
爆破まで約20秒。
〜石上春介〜
(やばい、爆死!?)
脳内に鳴り響く千数百の思考。
その中から少し聞こえた『爆死』の2文字。
(回避する方法がない)
実はあるにはあるが、それでは全員が助からない。
このまま行けば『爆死』
俺だけ瞬間移動すれば、俺以外は『爆死』
電車ごと移動しても、電車内に爆弾があるかもしれない。
そして脳内に流れた終わりの一言。
『もう終わり』
「う"っ!」
走馬灯が流れる。
何もわからなかった小学校。
初めてできた友達。
超能力があるとわかった時。
社会が少しわかってきた中学校。
仲良かった友達と別れた中学卒業。
新たな友達と仲良くなった高等学校。
「また会おうな」という言葉に泣いた高校卒業。
未成年と言うククリから外れ、酒を交わした大学3年。
幸せな人生に死は突然訪れた。
ハイジャック犯の計画の巻き添えになって。
死体も残らない無惨な死。
向かうは天国か?地獄か?
死というものに抵抗はあるが、仕方ない。
それが人生というものだ。
だんだん意識が遠くなる。
思考ができなくなる。
…………
………
……
…
しかし!
目が覚めた。
そこは、見たことがない場所。
そして俺の体がない。
戸惑う俺にかかる声。
その正体は……。
4月から投稿していきます。
1週間に1本投稿していきます。
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