表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
過去に来ちゃった  作者: まっつん
5/8

もどるかのこるか2

「なにぃ? 旅に出るだと? お前頭おかしくなったんじゃねえか?」

 井戸の水を汲んでいた大家さんに旅に出ることを告げると、呆れ返ったような声で返事があった。

「いや、未来に帰るためにはですね...」

「次から次へとわけのわからないこと言いやがって。まだ治ってないんじゃないか?」


どうも大家さんは俺が未だ混乱していると思っているらしい。まともに取り合ってくれない


「くずーやーくずーやー」

遠くから声が聞こえると大家さんはその声の主に向かって声をかけた。

「おう、清兵衛じゃねえかちょっとこっちにきな」

清兵衛という男は、満面の笑みでかけよってきた。

「大家さん、ちり紙ですかい」

「ああ、それもあるんだが・・・」

 大家さんは俺を見ながら、

「お前ちょっとこいつに屑屋の仕事を教えてやってくれないか」

 と言った。

 屑屋?

 清兵衛という男は戸惑いながら、

「えっと・・・。また、何で?」

と答えた。

「こいつぁ、俺の長屋の井戸端で倒れてたんだ。で、記憶も曖昧みたいでわけのわからんことを言いやがるんだ。挙げ句、旅に出ると言い出しやがった。そんなことするくらいなら、仕事して頭使ったほうが思い出すんじゃねえかと思ってよ」

 大家さんがざっと事情を説明する。

 俺は置いてけぼりだ。

「いやまあ、いいんですが、あっしも生活がきつくてガキの駄賃くらいしか出せませんよ」

「ああ、それは心配するな。しばらくは俺が面倒を見るから、金はなくたって構わない。世話料だと思ってこいつの働いた分ももらいなよ。な、頼んだよ」

「大家さんの頼みだ、いいですよ。あっしが預かりましょう!」

 あっという間に話がまとまってしまい、俺は流されるがまま男についていくことになった。

 しばらくは大家さんが面倒を見てくれると言うし、帰るのを焦る必要もないか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ