第85話 VSマクシミリアス[前編]
前回までのライブ配信。
闘技大会当日、アイリスが起きるとセーラが抱きついている。懐いてはいるが会話などは一度も行えていない状況。
ナッタの最後の定期診察を行い、フィリップスと闘技大会後の襲撃の再確認を行う。その後、アイリスとマリカ、セーラは闘技場の地下の更衣室に向かう。
更衣室にはカトーに送り込まれた女の子がいた。彼女の助けも借りてセーラが自己を取り戻す。セーラは自己をなくしていたときに見につけた魔術の使い方も思い出し、猛獣刑のために更衣室を出ていくのだった。
セーラさんの出て行ったドアを見ていた。
ボクが彼女にしてきたことが本当に良かったのかと考えてしまう。
考えても仕方のないとは分かってるんだけど。
たまに地上の円形闘技場から聞こえる歓声が不安を掻き立てる。
自分の手の届かないところで、大事なものがなくなるかも知れない。
それが怖かった。
「アイリス」
マリカがボクの隣に座って手を重ねてくれた。
不安だった心が少しだけ和らぐ。
人って傍に居るだけで温かいんだな。
「お2人って仲いいんですね」
女の子が声を掛けてきた。
「と、友だちだから」
応えたのはマリカだ。
「なんでそこで噛むんですか」
「別に噛んでもいいでしょ。貴女こそ何? 更衣室で話しかけられるなんて初めてだけど」
お風呂のあとのマッサージでも話しかけられたことないしな。
会話厳禁みたいな決まりでもあるんだろうか。
「ふふ。私ですか? よくぞ聞いてくれました! カトー家でお世話になっているラデュケと申します。大抜擢されてこちらに参りました! じゃーん!」
≫名前は聞いてねえw≫
≫自意識強ぇぇ!w≫
≫かわいいから問題ない≫
≫ポーズ&ドヤ顔付きかよw≫
コメントで言われる通り、胸を張りそこに4本の揃えた指を向けている。
ドヤ顔と称されるだけあって、一点の曇りもない誇らしげな顔つきだ。
「あ、うん。ラデュケさんだっけ。分かったから他の人を見習ってお仕事して貰えるかなー」
マリカが興味なさそうに棒読みで言った。
「えー、スルーとか冷たいですよぉ。とっておきのポーズまで披露したのに恥ずかしいじゃないですか」
≫うぜえw≫
≫うざかわいい≫
マリカがちらりとボクを見る。
少しして立ち上がった。
「ふーん。とっておきなんだ。こうだっけ? じゃーん!」
彼女はそう言って、胸を張って揃えた4本の指を自分に向ける。
「――うわっ。……は、恥ずかしいですね、それ」
「あ、貴女がそれを言わないでくれるかな?」
「えへへ。調子に乗りました。ごめんなさい」
ラデュケさんは頭を軽く叩きながら舌を出した。
す、すごい。
ここまでワザとらしく可愛らしさを演出してみせるとか初めて見た。
その後も彼女たちは何かやり取りしてたけど、いつの間にかボクは微笑みながらそれを見ていた。
「あれ? アイリスさん、いつの間にかどんよりした雰囲気が消えてますね」
「言い方!」
「へへ。あれ? でも、何か良いことありましたっけ?」
「いいんじゃない? アイリスの気持ちが切り替えられたのならね」
マリカはボクを優しげな目で見てくる。
あれ?
ボクが塞ぎ込んでいたのを見て、賑やかなやり取りをしてくれたのかなと頭をよぎった。
自分の闘技も近いはずなのに。
でも気を遣われたことにお礼を言うのも変だと思ったので、心の中でだけありがとうを言っておく。
しばらくすると、マリカが呼ばれた。
「じゃ、行ってくるから」
「うん。武運を祈ってる」
「終わ――違うか。また明日、かな。――よし」
彼女は特に気負いもなく気合いを入れていた。
「マリカさんって強いんですか? 死ぬかもしれないのに結構余裕そうでしたね」
マリカが出て行ってからすぐにラデュケさんがボクに話しかけてくる。
「強いよ。剣術だけでもパルス階級並だし、魔術を使えば八席に匹敵するんじゃないかな」
「え、そんなにですか。全然そんな風には見えませんでした。あまり失礼なことはしない方がいいかもですね……」
「失礼なことしてるって自覚あったんだ」
「そ、それはあれです。親愛の情ってやつですよ!」
彼女が話しかけてくれるので、セーラさんのことだけに心を占められることはなかった。
ただ、やっぱりたまに地上から聞こえる歓声によって彼女がどうなったのか気になってしまう。
それから数時間が経過した。
「アイリス闘士」
呼ばれた。
いよいよだ。
モヤモヤとした気持ちはある。
切り替えないと。
「はい。いきます」
ドアを開けると、セーラさんのときと同じ係の人だった。
彼の前に立つと、視線がボクの胸やお腹、顔に向くのが分かる。
ただ、すぐに目を逸らしたので真面目な人なのかなと思った。
「お願いします」
「あ、ああ」
しばらく無言で通路を歩く。
「あー、なんだ」
急に係の人が話しかけてくる。
「俺が話したということは秘密にしておいてもらいたいんだが」
「はい? 分かりました。どんな話でしょう?」
「セーラというあの女、生き残ったようだぞ」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
意味は分かる。
とても大切なことだ。
「あれ」
ガシャと膝と腰部分の鎧が地面とぶつかり音が響く。
ボクはペタンと地面に座り込んでいた。
腰に力が入らない。
「おい。どうした」
「――よかっ」
また、涙が頬を伝う。
その状態にまでなってようやく心が理解した。
セーラさんが生き残れたことに。
急に力が湧いてくる。
「取り乱してすみません。教えてくれてありがとうございます。すごく助かりました」
涙を拭いながら言った。
それにしても涙出過ぎだな。
なんか不安定だ。
「セーラさんが怪我したかどうかって分かります?」
「そこまでは分からない。ただ、聞いた話ではあの女の魔術に驚いて魔術無効使いながら退場させたみたいだからな。命の危険はなかったと思うぞ」
「あ、ありがとうございます!」
セーラさんが生き残れた。
よかった。
今はそれだけでいい。
次はボクの番だ。
あと、彼はマリカについても教えてくれた。
一瞬で勝利を収めたみたいだ。
さすがマリカ。
控え室にはすぐ着いた。
もう1度、係の彼にお礼を言ってドアを開ける。
控え室には誰もいない。
狭い空間で明かりが灯っているだけだ。
意識はどうしても自分の内面に向かう。
そんな中でもボクはただマクシミリアスさんとの試合が待ち遠しかった。
気持ちが高ぶっている。
全力をぶつけさせて貰う。
10年もの間、魔術無効も使わずに誰も殺さずに剣闘士のトップに居続けたマクシミリアスさん。
ボクの全力がどこまで通じるか。
魔術を含めた全力はハルピュイアのケライノさんと戦ったのが最後だ。
「アイリス闘士」
呼ばれるとエレベーターに案内された。
人力のものだ。
ローマに来たときのことを思い出す。
ボクがエレベーターに乗るとゆっくりと動き始めた。
金属が擦れるような音と共に、地下から地上に上がっていく。
暗くなったかと思うと、地上に出た。
光が眩しい。
そして歓声。
対面でもエレベーターがせり上がってくるのが見えた。
ボクの登場よりも少し遅れている。
兜ではっきりと顔は見えない。
ただ、彼こそがこの円形闘技場で一番強い男だ。
剣闘士筆頭『不殺』のマクシミリアス。
彼の身体は魔術によって全体が光ってみえた。
やっぱりマリカたちと同じか。
予想通りなので驚きはしない。
明るすぎて比較は難しいけど、『闘神』ゼルディウスさんよりは輝きが薄いだろうか。
エレベーターが地上に達すると更なる大歓声に包まれる。
ボクは目を細めて真上を見た。
闘技場の天井の隙間から太陽がのぞく。
眩しいな。
「アイリスー!」
歓声に混じってボクの名前が呼ばれた。
声のした方に視線を向けると、観客席の中段くらいに馬をかたどった旗が振られているのが見えた。
あ、カウダ隊の旗だ。
みんな来てくれたのか。
「アイリスー! 負けんじゃねーぞー!」
歓声の中で目立つ大きな声。
見ると、立ち上がって腕を振り上げている。
遠くて小さく見えるのに目立つ。
鉄壁のヘルディウスさんだ。
「アイリスー!」
いろんな場所からボクを呼ぶ声が聞こえる。
すごい。
初めてここに立ったときには誰もボクのことを知らなかったのに。
今ではこんなにも応援してくれる人がいるんだ。
また力が湧いてきた。
「それでは、本日のスペシャルイベント、エキシビションマッチを始めます!」
円形闘技場に割れんばかりに歓声が沸く。
「対戦するのはこの2人。ご存じローマ市剣闘士筆頭! 10年不敗! 『不殺』のマクシミリアスッ!」
彼が静かに腕を上げると、それに合わせて歓声が一際大きくなった。
「挑戦するのは、この女性! 皆様も凱旋式での美しい英雄をご覧になったでしょう。先の剣闘士の反乱で討伐軍に参加し、ローマに勝利をもたらした英雄! 『戦女神』アイリスッ!」
おい待て。
戦女神って何?
初耳なんだけど!?
混乱と騒音の中、係の人がボクに腕を上げるようにジェスチャーするので腕を上げた。
すると、地響きするような歓声が響く。
「武器と盾の選択です!」
ボクは中央まで歩み寄り、武器と楯を選んだ。
武器は長めのもの、楯は大きめのものだ。
楯は乗り物としてしか使わないつもりだった。
楯を投げ捨てると降参を意味してしまうので、その辺りは気をつけないと。
武器を選んでマクシミリアスさんを見る。
背は特別高くない。
ルキヴィス先生と同じくらいだろうか。
体つきも似ている。
同じ流派だからだろうか。
ただ、身体全体の魔術の光だけは大きく違う。
当たり前だけど左手もある。
定位置まで戻りながら、戦女神と二つ名を付けられたショックを頭から振り払い、今日起きたことを思い出していく。
セーラさん。
マリカ。
――よし。
振り向くとマクシミリアスさんも定位置で真っ直ぐ立っている。
闘技場全体のざわめき。
緊迫した空気。
全てが試合の始まる瞬間を待っている。
「それでは、『不殺』マクシミリアスと『戦女神』アイリスの試合を開始します! 始め!」
ボクはその合図と共に2つの魔術を発動した。
1つは、旋風の魔術。
もう1つは、マクシミリアスさんに向けた突風の魔術だ。
ボフッ!
突風の魔術は砂埃を舞い上げマクシミリアスさんに直撃する。
砂埃が晴れる前に更に突風の魔術を放つ。
今度は真正面からじゃなく、真横から。
角度を変え、突風の魔術を放ちまくりながら、旋風が完成するまでの時間稼ぎをする。
砂埃の中だけど、マクシミリアスさんの姿は魔術の光でよく見える。
全く効いてない、か。
傍らでは、大きな旋風がブォーという風切り音と共に砂や土を巻き上げ初めていた。
よし、できた。
ボクは連発していた突風の魔術を止め、完成した旋風の魔術を彼にぶつける。
同時に楯を地面に置いて、風の魔術を使ったホバリングでマクシミリアスさんの後ろに回り込む。
彼の真後ろまでホバリングして両手で剣を構えた。
「――ふっ!」
旋風の中心に真っ直ぐ加速していく。
ホバリングしているので自分の足とは比較にならないくらい速くなる。
旋風が迫る。
魔術での旋風の制御を止めた。
旋風を吹き飛ばすつもりで、全力の突風の魔術を放つ。
今度は砂埃は舞い上げない。
一瞬で砂埃が晴れると同時にマクシミリアスさんに剣を突き立てる。
ただ、ボクの剣が当たることはなかった。
空気の圧力のようなものを感じると、マクシミリアスさんが振り向き、彼が『三角』を形作るとそれに弾かれる。
弾かれたボクは楯に乗ったまま体勢を崩した。
すぐに風を当てて立て直す。
大歓声が聞こえた。
簡単に対応されたか。
もちろん、こんなので勝負が付くなんて思ってない。
半身になって立っているマクシミリアスさんを見る。
動く様子はない。
ボクは剣を握りしめた。
次は剣で勝負してみる。
ボクはホバリングしていた楯から降りて地面に足を着けた。
胸の重さに意識を向け、身体の力を抜く。
ビキニアーマーで強く胸を締め付けれられているので、重さが感じにくい。
ルキヴィス先生がカクギスさんと戦ったときの『三角』は使わないけど、口の感覚だけは前方に延長させた。
この状態で、トトトトとあくまで胸の重みを意識して揺らさないように前進していく。
間合いに入ると、マクシミリアスさんは剣と盾で『三角』を作る。
作る瞬間を電子で先読みして、『三角』の外側に身体を置く。
そこに剣がすさまじく速い剣が振られた。
ほとんど反応できなかったけど、電子が見えたお陰で僅かに身体を引いていた。
剣先は小手の防具に当たり、チッという音と共に通り抜けていく。
危――。
考える間もなく、彼は一歩踏み込んできた。
盾の角が迫る。
それをボクは剣の根元で受け止めた。
重っ。
思わず身体を固めてしまう。
まずい筋肉を硬直させてしまった。
固まっている隙に、ボクの剣の下に潜り込まれ突きが向かってくる。
腕を伸ばす突きではなく、あくまで『三角』の範囲での突き。
風の魔術?
いや近すぎる。
お腹をなんとか。
断片的な思考の中で、ボクは自分の後頭部を掠らせるように突風の魔術を放った。
上半身が前に折られることで腰は後ろに曲がる。
剣先が剥き出しのお腹に触れる。
ダメージはない。
今度はマクシミリアスさんが硬直する。
ボクは彼の頭に剣の柄を打ち下ろす。
それしか攻撃手段がなかった。
当たるかと思ったけど、空気の圧力のようなものを感じたと思うと首を捻られ避けられる。
今度はボクが硬直する。
その隙を逃すマクシミリアスさんじゃない。
彼の腰、肩、肘と順番に電子が伝わっていった。
横薙ぎ斬り。
ボクの右腰のくびれ辺りに向かってくる。
間に合わない。
ゾッとした。
急に世界が遅くなり、色も音もなくなる。
剣がコマ送りのように近づいてくる。
その軌道に右肘を落とす。
防具を着けている箇所だ。
肘に剣が当たる。
衝撃の感覚だけは分かる。
衝撃が強かったのか、上半身ごと左に流れた。
身体が流れて重心が左足に移る。
これを利用して右足を蹴上げる。
狙うのはマクシミリアスさんの剣を握っている手。
でも、蹴りは盾で流された。
そのまま一歩踏み込まれ、滑り込むように剣の根元が顔に向かってくる。
腰はくの字に曲がり、ボクの身体は完全に死に体だ。
世界がゆっくりになっていても避けられない。
頭を切り替え相打ちを狙う。
剣の根元が当たる瞬間までしっかり見て、合わせて首を逸らす。
兜全体に衝撃。
上半身が起きる形になった。
衝撃を逃がすために左足で地面を蹴る。
同時に左手首のスナップだけで剣を振る。
強くは振れないが、マクシミリアスさんの首に剣筋を引っかけるつもりだ。
ただ、驚いたことにそれすら避けられた。
彼はしゃがみ、ボクは後方にジャンプしている。
間合いが開く。
ボクは地面から突風の魔術を背中に当てて、受け身を取った。
そのまま後ろ回りして立ち上がり、突風の魔術を身体に当てて更に離れる。
観客のざわめきが聞こえた。
世界の色も戻ってる。
「ふう、ふう」
肘と首が少し痛いな。
それにしても、いろいろと危なかった。
当たり前だけど強い。
どのくらい実力の差があるのかも分からない。
自分の口角が上がるのが分かる。
マクシミリアスさんを見た。
3メートルくらい離れている。
ボクに対して半身になったままだ。
試合開始のときと何も変わってない。
風系の魔術はやっぱり通じないか。
となれば創水の魔術だ。
水を集めるのに1、2秒掛かるから、戦いの中では使いにくいんだよな。
あと、彼がボクの攻撃が避けられるのは電子が見えてるからだろうか。
――ん? 電子?
1つアイデアを思いつく。
いけるかどうか迷ったけど、振り払ってボクは半歩踏み出した。
挑戦者なんだから試さないでどうする。
小さな歩幅でマクシミリアスさんに近づく。
彼に向かって創水の魔術を使う。
でも、水の大きな固まりは作らない。
中途半端な状態を維持する。
彼の周りが白くなり霧で囲まれた。
視覚が遮られた状態だ。
この状態でいくつか水滴を作る。
その水滴に電子を偏らせる。
チリチリと僅かに電流が走る。
マクシミリアスさんが剣と盾で『三角』を作り、攻撃を受ける様子を見せた。
――いける。
電流を起こし、彼にボクが攻撃してると錯覚させるアイデアだった。
ボクは更に霧を作りながら左に移動する。
同時に別の位置に創水の魔術で水を集める。
発生させる場所はボクの位置とは逆の右側だ。
霧を作るのを止め、霧の中に電流を起こす。
電流だけで彼が反応した。
やっぱり電子でボクの動きを捉えていたのか。
出来た隙に向かって突きを撃つ。
それでも彼は避ける。
兜に向けて水射の魔術を放つ。
さすがにこれは当たった。
至近距離から放たれる秒速100mの水が避けられる訳ない。
ボクは水が当たると同時に剣で攻撃した。
ただ、信じられないことに彼はそれを寸前で避ける。
いや、微かに当たった手応えはあった。
でも直撃にはほど遠い。
完全に当たると思っていたボクは固まってしまった。
でも、彼も無理に避けたからか動かない。
兜が半分脱げている。
「くぉ!」
ボクは声を上げて自分の背中に突風の魔術を当てた。
体当たりする形で彼にぶつかる。
意識が持ってかれそうな強い衝撃。
彼の兜が脱げ飛んでいった。
「ふっ!」
衝突の衝撃で離れた隙間に無理にでも片手で剣を振る。
彼は盾を使って防ぎ、ボクの懐に入り込んだ。
膠着する。
兜が脱げていた彼の顔を見る。
その顔を見て、ボクは驚いた。
「ルキヴィス先生?」
――いや、違う。
お腹に剣の柄を当てられそうになるのを察知して左手で防いだ。
濡れている彼に電流を流そうとしたところでボクは盾に引っかけられた部分で投げられた。
地面へぶつかる寸前に突風に魔術を使い、すぐに立つ。
確かに顔はルキヴィス先生によく似ている。
でも、雰囲気がまるで違うし左手もある。
なにより身体全体が魔術で光っている。
――もしかしてルキヴィス先生の兄弟か?
ボクはマクシミリアスさんの正体に驚きながらも、同時に何か納得しているのだった。




