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数日後
某料亭。
警察幹部と文科省幹部が
複数-----。
顔は-----わからない。
「いや-----
大変な事になりましたなあ」文科省。
「前代未聞の不祥事だし-----」警察幹部。
「まあ虹口刑事が自殺した事で
彼も被害者の一人だという事で
落ち着きそうでね」別の警察幹部。
「アレで当庭も
自殺でもしてくれれば
ありがたかったんだがね」別の文科省幹部。
「アレは-----
自殺などは-----」警察。
「しないか」文科省。
「取調べの様子を見たが
とてもとても-----」警察。
「そう見えても
案外何かの-----」文科省。
「ん-----。
しかし-----
一生後悔する。
私に指導に従わなければ-----
などとわけのわからん事を
繰り返しているし」警察。
「まだそんな事を」文科省。
「あんな奴に指導してもらわなくても-----。
いや-----
何でもない」文科省。
「まあおかしな事を言えばね。
当庭の奴。
虹口と同じで-----」警察。
「彼は-----自殺だよ
君。
あくまでね。
裁判では
殺された事になるし-----。
当庭にね。
下手にかんぐらないでよ」警察。
「しかし助かったよ」
「ことが公になる前に
手を回せてね」
「君の方は大丈夫かね」警察幹部。
「当庭か。
頭が痛いよ。
しかしまあ-----
何とかなりそうだ。
これは奴個人の事で。
教師は-----
他の教師たちは
みな一生懸命子供たちのために。
それで何とか
落ち着きそうだ。
これでケチでもついて
教育がゆがめられる事にでもなれば」文科省。
「ゆすり《強請》教育か」警察。
「マア、ウチの子も荒れていてね。
ああいう先生がいなければ
大変な事に。
そう思っていたんだが。
あの先生は-----さすがに-----
ゴメンだね」
「君のところもか。
ハーーー。
映画の○○教師の言うように
育てたつもりなんだがね」
「金を持っているから
社長だからといって
そういう奴らが
イバリ散らすから-----
か」
「そうだ。
それで荒れるんだろう。
そんな奴許すな。
そんな奴らが心を入れ替えて-----
人の気持ちをわかってくれれば。
そんな奴らを指導して
何が正しいかを教えてやる。
そういう者が偉いんだ。
偉くなればいいぞ。
あれもこれもしてもらえる。
そうなりたいだろう。
そうなりたければ偉くなれ。
あんなわけのわからない
あいつら。
こんな事もわからないのか
そんな事でよくもまあ-----
社長だ金持ちだと。
世の中そんな事ばかりだ。
理不尽なんだ。
そんなことを許しておくから
世の中荒れるんだ。
世の中の心有る者たちが
虐げられて
日の目を見れない。
そんな世の中
間違っている。
世の中も世の中だ。
それを受け入れている。
出世がしたい
金が欲しい
逆らえば大変な事になる
などと言って
媚びへつらってね。
そんな者は今に-----。
お前はそうはなるな。
そんなやつは許すな。
そういう人間になれ。
世の中の媚びへつらう者たちを
指導してやってね。
何が正しいか分からせてやれ。
そういう者こそが
本当に偉いんだ。
そう言って
育てたつもりなんだがね」
心ある官僚の一人が。
「そういう心の声は
届かないわけか」官僚。
「まあ-----
そういうことだ。
いくら教えてやってもね。
我々の言うことを聞いておけば
間違いないのにね」心ある官僚。
「優秀な者が人々を指導する
-----か」警察。
「今にそんな世の中が来る。
金持ちどもや社長、力のある者どもを
指導してね。
心ある者がね」
「そうだよ。
そうしなければ
今の日本の現状を見てみろ。
そして優秀な者が人々の上に立ち
指導する」官僚。
「その通りだよ。
あんな
こんな事もわからない
あんな事もわからない。
そういう者が
そういう連中を指導してね
毎日毎日-----
全く}
「少し話をすれば
いかに愚かか
すぐにわかる。
その程度のやつらだよ」
「確かにそうだ」
笑いが-----座を充たした。
「我々も同じだよ。
世の愚かな者どもをね。
指導してね。
何せ世の中と来た日には
何も分かってはいないしね。
我々が指導してあげなければね。
どうなることか。
イジメ問題にしてもそうだよ。
あれほどね。
人の気持ちを分かってやれと
言っているのにね
そうしなければ
それが心の傷になって
とね。
そのせいで教育の現場が
どうなっているのか。
いくら教えてあげてもわからない。
あれほど-----
毎日毎日
こうすればと暗に-----。
そうだろう。
それでもわからない。
呆れ果てるよ。
やはり優秀な指導者がね。
人々を導かなければ
-----
世の中-----どうなるか。
政治の中枢にも
そういう者はいるしね。
これがどうしようもない。
全く
何度インタビューしてね。
暗に
こうすればと
教えてあげているのにね。
そういうことだよ」
マスコミ関係者もいるようだ。
「それは我々も同じだよ」
しみじみと-----
他の者も-----。
「まあ-----とにかく
今回の件に関して言えば
我々も天下り先は欲しいしね。
尽川のところも
これに懲りてね。
我々の天下りを
受け入れでもしてくれればね。
それはそれでね。
彼の息子が自殺するという事態も
防げたかもね。
この事件を機にね。
それに気づいてくれる会社が
増えてくれれば
もうけものだよ」文科省。
「なるほどね」警察。
「ころんでも
タダでは起きないわけか」警察。
「ただ-----
尽川の息子の件は
あくまでも自殺という事で」文科省。
「エッ!
あれはあくまで自殺だろう」警察。
「教師が屋上から
突き落としたではね」文科省。
「当庭くんにも-----」ため息混じりに。
「しかしあの校長にも
困ったものだよ。
その時の映像まで
携帯でね」警察。
「幸い-----警察の方は
そのパソコンのデーターには
気がづかなかったようだけど」文科省。
「それは-----その時は現職警官の不祥事に
気を取られて-----だろう」警察。
「いくら何でも
そこまでやられれば
今後の教育に差しさわるかも」文科省。
「まあどうとでもなるがね。
こんなチンケな事件がもとで
日本の教育が
ゆがめられでもすればね」文科省。
「教育とは
そちらの方の
“教育”か」警察。
文科省は笑った。
「我々もその点については
同じだよ。
日本の将来を憂う者としては
軽々しくは報道できないしね。
何もわからないような連中が
今回の事件を機に
また勢いづけば
大変なことになるしね。
指導に従わなくなれば
それが心配だよ。
慎重に扱わなくてはね」
「よろしく頼むよ。
あくまでも当庭くんの個人的な-----
ということで」官僚。
-----完-----
その後
尽川社長は多くを語らなかった。
マスコミの取材に対しても
「社長の同級生の。
いえ友人の
当庭が犯人だったという事ですが
その事について一言」
「殺された虹口刑事や
中学生六人。
校長については」
尽川は一言も発せず
自動車へ。
当庭は-----
一月余りのち
自殺した。
初公判直前だった。
数ヵ月後
文科省の
枠沢局長は-----
尽川建設の専務となっていた。
警察官僚の天下りも-----
何人か。
そして他校へ行った
尽川社長の次男は-----
やはり自殺。
尽川に跡継ぎはいなくなった。




