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ある中学校教師の殺人事件簿  作者: 維己起邦
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 翌日。

 「どういう事ですか。

 校長まで」

 私は当庭の姿を見るなり。

 先に来ていたらしい。

 「そんな事言われても-----

わからないよ」

 当庭も困惑している。

 「犯人はいったい

どういうつもりで」

 私は-----

何とか平静をよそおい。

 校長の顔が頭をよぎる。

 「校長が何かつかんだ

という事かしら。

 そうとしか」

 レムもいた。

 「いったい何を」私は。

 「皆山みなやま君。

 何か思い当たる事は」レム。

 「そう言われても-----」

 私は当庭を。

 「私にも-----全く-----」

 当庭もわからないという表情を。

 「くわしい事は解剖してみないと

わからないが

殺害方法は

他の者たちと同じようだ」

 虹口もいた。

 「これで六人ですか」レム。

 現場は規制線が張られ

入る事ができない。。

 鑑識があたりかまわず

 「それで何かわかりましたか」

 私は-----を隠すように。

 「イヤ。まだ何も。

 手口から見て

同一犯の犯行かと-----

思われるんだが」

 「そうですか。

 でしたら-----

やはり探偵が」私は。

 「マークしていたのでは」当庭。

 「それが-----

逃げられた」虹口。

 「我々の失態だ」日堀も。

 「ですがどうして-----」私は。

 「それは-----」

 「これで尽川の奴。

 ますます怪しくなったわけか」当庭。

 「亡くなった校長は

 最後まで尽川をかばって-----。

 いや、信じていたが

こんな事に」虹口も。

 「警察のマークを知って

校長を殺害するために

逃げた。。

 姿を隠したのでしょうか」当庭

 「それ以外に-----

姿を隠す必要は

ないですし」虹口。

 私は-----。

 「中学生五人と校長先生。

 いったいどういうつながりが

あるのですか。

 尽川社長にとって」レムが。

 「校長が犯行を目撃したとか

それで-----」質石もいる。

 「ではどうして

校長は警察へ話さなかったの。

 あの三人が殺害されてから

何日も経っているし」レム。

 「それは-----

犯人をゆすろうとして」質石。

 「校長はそんな人じゃないわ」レム。

 「だったら-----

犯人をかばっていた-----

とかは」

 「尽川社長は教え子だし-----。

 でも尽川社長が

直接手を下したわけではないし-----。

 それなら殺されたのが

教え子なんだし。

 どうしてかばう必要が」レム。

 「それは-----そうですか。

 しかし-----

尽川社長が指図していたのを

知っていたならば」質石も。

 「それは-----」

 あるか-----。

 「それとも

犯人たちの会話を

偶然立ち聞きしたのかも」

 レムは皆山を。

 「文科省の汚職がらみなら

どうなる」

 日堀が割って入って来た。

 私は-----。

 その件は-----。

 「文科省の汚職。

 それならどうして校長が-----。

 中学生にしても

どういう理由で殺されなければ」私は。

 「それを調べるのが

我々の仕事だ。

 調べればわかる事だ」日掘。

 「なるほど」

 私は。

 警察はどこまで-----

事件についてつかんでいるのかを-----

知りたかった。

 それに-----汚職の件は-----。

 「汚職専門の-----

エー-----二課ですか。

 そっちは何と言っています」私は。

 「それは今照会中だ。

 縦割り行政の不備というか

何というか。

 顔見知りにも当たっているんだが

口がかたくてね。

 みんな口をそろえて

“あれはマチガイだった”。

 “もう捜査はしていない”。

 そうとしか言わない。

 みんなニガリきった表情でね」

 「捜査が終わっているのなら

教えてくれてもいいでしょうに。

 どうして」レムも。

 「だから-----

そういう事-----

じゃないのか」

 「継続中か-----」レム。

 日堀は私の表情を。

 “あの件は-----”

 「それで文科省と今回の事件。

 何らかのつながりがあるとなれば

ウチも二課と

合同でやる事になるかも知れん。

 まあ-----

確実な証拠なり何なりが

出ればの話だがね」

 「そうですか。

 では警察は

尽川社長の線よりも

そちらの方があやしいと」

 私は無表情に。

 「いや。

 本丸はあくまで尽川社長だ。

 尽川と文科省が共犯という事も

ありうるしね。

 それで二課にも

内々で頭を下げてね。

 例の汚職に関わったとされる

人物の名だけでも

-----文科省関係でだ-----

聞こうと思っているんだがね」

 「なるほど」

 私は当庭たちを。

 レムの表情を。

 全員私の方を-----。

 「他の線はないですか。

 例えば-----

行きずりの犯行で

顔を見られ次々に-----

とかは」

 「今のところ

その線はないよ」

 日堀はニヤリ。

 捜査を混乱させようとして

そういう事を言う者もいる。

 ヒョットして文科省の者なら-----

やりかねないか。

 「最初に殺害された

 峰月の線からも。

 彼の親は資産家ですし

洗ってはみたのですが-----

全く-----」質石。

 「となるとやはり-----

尽川社長が」私は。

 「そうなる。

 他には考えられない。

 それと文科省だ。

 彼らが

どう関わっているかだよ」日堀。

 私は-----。

 「文科省がどういう形で関わっているか

-----ですか。

 動機はいったい」当庭も。

 虹口からすでに

皆山の事は。

 汚職の事を何とか聞き出し-----。

 そうすれば尽川を-----。

 まあその内。

 「それで文科省の動きは。

 尽川社長の周辺を

探っているという話でしたが-----。

 他には-----

例えば例の探偵とかは」私は。

 警察はどこまで-----。

 「それが今のところ

尽川の周辺だけのようだ」日堀。

 「尽川社長を口封じのために-----

という事は」質石が。

 「文科省がか」虹口。

 「それは-----不可能だろう。

 文科省にしろ。

 我々が尽川の身柄を確保している事は

知っているし、

どうやって」日堀。

 「それはそうですか。

 だったら-----

危なかったわけですか。

 何人も人を殺害するような

連中ですし」

 質石は私を-----。

 「それはあるか」日堀。

 「君はどう思う。

 皆山先生」虹口も。

 「そう言われても

当庭先生はどう思われます」

 「いや

全くわからないよ。

 どうして文科省が-----

尽川社長を」

 「別の理由で

尽川社長の周辺をさぐっていた

という可能性は」私は

 「どういう理由で」日堀。

 「それは-----

わかりませんが」

 「それはあるか。

 それならば文科省の連中に

さぐりを入れてみる手もありますか」虹口。

 私は-----

内部告発が。

 怪文書も-----。

 「官僚という奴らは

口が堅いですし

何も出て来ない可能性も」

 「そうかな。

 案外、口の軽い者も多いよ。

 その手のミステリーでは

そうだがね」日堀。

 「ここは一つ。

 文科省を徹底的に当たってみますか」虹口。

 「そうしてくれ」

 私は-----。



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