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「どう思われます」
レムは日堀に。
「どうって
ノラリクラリと全く。
何を聞いても
知らぬ存ぜぬの一点張りだ。
文科省の件についてもな」
「では堆村の方は」虹口が。
「探偵か。
奴の名を出しても
全く動揺する様子もない」
「では実行犯は別に」レム。
「それは-----。
しかし他に誰がいる」
「それとも
バレないと思って
タカをくくっているとかは」質石。
「どうして。
堆村を使ってやったのならば
堆村をたたかれれば
全てわかる事だし。
堆村は絶対しゃべらないとでも
思っているのか
尽川の奴」日掘。
レムの脳裏には
皆山と文科省の会話が。
光対の森近くの
あの喫茶店であの時確か。
「マサカ文科省の誰かが。
それで探偵の名を出しても」質石。
「文科省のキャリアが
そんな事するか」
「ですから
他に人を雇って」レム。
直接やった可能性も-----。
しかしあの時
皆山と一緒にいたあの男の服に
血はついていなかった。
これはまだ誰にも言ってはいない。
日堀は-----。
「とにかく堆村だ。
奴がやったという証拠だ。
それと文科省を
徹底的にマークしろ」




