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ある中学校教師の殺人事件簿  作者: 維己起邦
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 尽川建設。

 その周囲には

見慣れた顔の刑事たちが

そこかしこにいる。

 数台の自動車が交替で。

 今回の事件は連続殺人

犯人はまたやるかも。

 そうなれば警察の面子も-----。

 疑わしい連中全てを

マークしているのだが、

マークから漏れた者が

もしいれば

どうなるのか。

 レムはその刑事たちに

見つからぬように

謎の男たちの監視を続けた。

 夜間とはいえ

あまり長くは停めてはおけないが

どのくらい時間が-----。

 そう長くはない。

 ドアウィンドウをノックする音。

 レムはハッとした。

 「虹口さん。

 係長も」

 レムはしまったという表情。

 「双風。

 オマエ、ここで何をしているんだ」虹口が。

 「とにかく中へ入れてくれ」日掘係長だ。

 二人は乗り込んで来た。

 「さっきから見てたんだが。

 あの自動車を監視しているようだが

何かつかんだのか」虹口。

 「いえ-----」

 レムは言ったものかどうか。

 「尽川社長をマークしていたのですが-----。

 我々以外にも

尽川社長をマークしている者が

いたものですから」

 「あの連中が-----

尽川社長を」係長。

 「はい」

 レムは皆山の事は

まだ伏せておいた。

 「さっきのバーで偶然。

 尽川社長のあとを

つけ回しているのを見かけて

それでそのあとを」

 「ウチの連中も

尽川をマークしていたんだがな」係長。

 「はい。

 ですから-----そのあとを」

 日掘係長は考え込む風。

 「ニ三日前から

不審な自動車クルマ

このあたりに駐車しているので

気にはなっていたんだが。

 どう思う」

 「はい。

 二課でも地検でもないようですし-----

いったい誰が」虹口も。

 「二課と言いますと」レムが。

 「オマエも知っているだろう。

 例の汚職事件。

 何ヶ月か前に

あったやつだ。

 しかし-----

あの件は」

 「尽川建設と-----。

 確か文科省の官僚との間の

あれですか」

 “あれか-----

記憶に新しい。

 確か皆山君。

 局長と-----”

 レムは。

 「もう手を引いたと

聞いていたんですがね。

 二課の知り合いから」虹口。

 「私もだ」係長。

 「当たってみますか」虹口。

 「制服警官を呼んで

職質をかけさせますか」レム。

 そうすれば身元がわかるかも。

 係長は少し考え。

 「警戒させるのも-----

このまま泳がせて」

 「その方がいいですか」虹口。

 「そうしよう」

 「ですがバーで尽川社長と会っていた

もう一人の方は」レム

 「あれか。

 あちらの方は

ちゃんとマークしている。

 すぐに身元もわかるだろう。

 ん?

 あっちにも-----か」係長。

 レムはしまったという-----。

 「はい-----。

 二三人の男がそのあとを」

 「バカ野郎。

 どうしてすぐに報告しない。。

 係長」虹口。

 「そうだな。

 すぐにむこうと連絡を取って

その連中の身元を確めさせろ。

 気づかれんようにな」

 レムは。

 “皆山君が事件に関わっていたら-----”

 「この連続殺人ヤマ

 何か裏があるかもな。

 -----

 何せ-----五人もだからな」

 警察の面子めんつも-----。

 課長も係長も

上から相当しぼられている。


 尽川が姿を現した。

 帰宅するのだろうか。

 すでに深夜。

 土曜日だというのに。

 自動車で。

 そのあとを刑事たちが。

 そして-----

 不審車両も-----そのあとから。

 「二台ですか」虹口が。

 不審車両は二台だった。

 一方には三人。

 もう一台には二人の男が。

 そのあとを

レムの運転する自動車が。

 「まいったな」係長。

 「相当大がかりな

組織か何かですか」レム。

 尽川はまっすぐ自宅へ。

 尽川の自宅近くには。

 自宅を見張れる場所に

マンションの一室を

すでにかりている。

 レムたちはそこへは行かず

不審車両を自動車の中から

マークしていた。

 すでに応援も何台か用意されている。

 謎の男たちは-----

ナンバーはすでにひかえてある。

 照会したところ

個人所有の自動車だ。

 新たに自動車が一台。

 尽川の自宅のある通りに入って来た。

 レムは自動車を。

 尽川の自宅から

通り三つほど離して

停車させていたのだが-----。

 その横を通り過ぎ-----。

 他にも

この近所の者の自動車だろう。

 二三台停めてある。

 不審車の方へ-----その自動車は。

 中には二人の男が。

 不審車の後ろに停車した。

 交替のようだ。

 最初の不審車は

そのままスタート。

 携帯でやり取りをしているようだ。

 「つけますか」レムが。

 「いや。

 このまま追えば

新手の自動車クルマの横を通る事になる。

 少し待って迂回していこう」

 すでに別の刑事たちの自動車が数台

今、出て行った不審車にはついている。

 レムは自動車をスタート。

 うまく脇道に入り

不審車を。

 日堀係長が携帯で

先行する自動車と連絡を

追いついた。

 「どこへ行くつもりだ」虹口。

 不審車は霞ヶ関へ。

 官庁街へ。

 その巨大な建物の一つへ。

 駐車スペースへ。

 三人の男が自動車の外へ。

 建物の中へと

飲み込まれて行った。

 「どういう事だ」係長。

 「どうして」虹口も。

 その建物には

 “文部科学省”

 と書かれた-----。

 いかに

“桜”

の代紋と言えども相手が-----

“文”の代紋では。

 特に学校という所は

○○の所管する場所。

 教育云々と言われれば

ウカツに手は-----。

 「自分の縄張りで殺人事件が。

 それで出張って来た。

 という事ですか」レム。

 “じゃあ

 皆山君はいったい”

 「中学生が五人もだからなあ」虹口も。

 「しかし-----

どうして文科省が

探偵まがいの事を。

 しかもこれほど大がかりに」日堀。

 「役人というのは

そういう事をするのですか」

 レムも信じられないという風。

 「さあーーー」

 “そう言えば皆山君。

 局長とか言っていた。

 局長と言えば-----”

 それを思い出した。

 あの時は

 聞きマチガイかとも思ったのだが。

 「どのあたりのレベルで

動いているのだろう」係長。

 「例のバーで話しているのを

 聞いた限りでは-----。

 “局長”

と言っていましたが」レム。

 「局長?

 まさか」係長も。

 「それじゃあ。

 文科省丸がかえで」虹口。

 「その可能性も」レム。

 係長も。

 「それと-----

警察の上の方とも-----

何か話がついているような」

 レムは言いにくそうに。

 「何-----。

 どうして

そんな事が」虹口。

 「相手が文科省では-----

そういう事も。

 とにかくこの事は

課長とも相談してみないと-----」

 係長。

 顔がこわばっている。

 「聞き違いかも知れませんが」

 レム。慎重に。

 「今回の殺人事件について

“上”同士で話し合っているだけ-----

という事じゃあないのか」

 「それは-----」レム。

 「まさか-----。

 例の汚職事件の」虹口が。

 「まさか。

 あの件はもう終わって-----。

 しかし-----その可能性もあるか。

 しかし-----

もしそうなら」

 「まさか

それで中学生五人を」レム。

 「ウチの“上”が

どうしてそんな事を」

 皆山たちの会話の件も気になる。

 中学生三人が

どうの-----と。

 その後

あの三人の中学生は-----。

 レムは

言い知れぬ不安に。

 しかし-----だまっていた。

 もう少し調べてから。




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