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双風レムは車中。
深夜の街を
一人署へと向かっていた。
コンビを組む虹口刑事は-----
少し顔を出したのみ。
行方不明の衛山を捜したいそうだ。
尽川社長の張り込みは
今は交代の者がやっている。
信号待ちの交差点。
自動車の中から
周囲を見回した。
いつものクセで
挙動不審の者がいないか
目を光らせる。
ここは光対中学から
少し離れている。
光対の森に近い。
あの教師たちには
もう少し話を聞きたかったのだが
もう夜も遅い。
しかし虹口さんは
何をしているんだろう。
しかも単独で。
まあ、ベテランなんだし
何かつかんだのか。
エッ
-----あれは。
シャレた造りの喫茶店。
壁面が全てガラス張りの
その中に
二人の男が入っていく。
一人は知った顔だ。
その様子が
何か不自然だった。
二人とも顔が青い。
レムは駐車スペースに
自動車を止めた。
喫茶店へ。
二人は-----。
気付かれないように
近くの席へ。
二人は何やら
深刻な面持ちで
時折、周囲を気にするように-----。
「どうしよう」
見知らぬ男の方が。
「どうしようと言われても」
「大変な事になった。
マサカあの三人を」
「声が大きい。
それで」
見知った方が
周囲をキョロキョロと。
レムは見つからないように-----。
「まだ手の震えが止まらない。
いくら組織のためとはいえ
ここまでは。
それにバレたら
どうする気だ。
あいつら
そんな事をして」見知らぬ男が。
「仕方ないだろう。
こうなっては。
もうこれ以上は。
だがあの連中
どういうつもりで」
「わからん。
そんな事
うまくいくと思っているのか。
どの道
ゆすりたかり目的だろうが」
「仕方ないか」見知った方が。
「どうしよう」
「とにかく君は
このまま帰れ。
後は私が-----
上の方にはうまく言っておく」
二人は喫茶店を出た。
そこで二方向へ。
レムは見知った方を。
その後を。
男は-----。
“これから何をするつもり”
レムは
言い知れぬ不安に。
しかし男は-----
真っ直ぐに自宅へ。
マンションへ。
賃貸のアパートだ。
エレベーターは五階へ。
レムは-----階段を。
“皆山”
と表札のかかった
ドアの前に立った。
「皆山君がどうして」レム。
“組織のため”
とか言っていたが。
先生なのに。
レムは-----。




