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第零幕 『片想い』
アヤカと付き合い始めて5年。
付き合い始めの頃、
甘い妄想と根拠の無い自信で
当たり前のように語っていた
『結婚』という夢物語が
いよいよ現実味を帯びてきた。
最近では、
会話は必要最低限で済むようになり、
愛を交わすときでさえ
言葉は必要無くなった。
互いを理解し合えている証拠だ。
収入も安定してきた。
両親の反対も無い。
今、二人の間には何の障害もない。
夏前から二人で計画していた今度の旅行で、
密かにプロポーズのサプライズをと
考えていた・・・