停学
この回から文と文の間を空けました。その方が見やすいので…
へへっ…完敗したぜ…。
「おい…大丈夫かー?一馬…?」
俺は久々に不細工な顔をして地面に倒れる。…廊下だからすげぇ冷たい。
「ははっ…そりゃ物凄く痛いに決まってるだろ〜?駿は?大丈夫?」
「大丈夫だったらんな顔しねぇって…」
「それもそうだね」
一馬も俺の隣に倒れて、暫く無言になる。さっきの喧嘩まではその最中にたくさんの人がいたが、もう収まったため誰もいない。…授業中のせいもあって。勿論俺たちは停学を出され一週間の自宅謹慎。暇すぎる。
「俺、停学中お前の家行くわ」
「はぁ?来んなよ。俺の楽しみがなくなるじゃん」
「そんなの知らねぇよ。毎日は流石に行かないからさ。2日ぐらい?」
「それくらいならOKにしてやるよ…」
とまぁ、くだらない話を俺たちはして上半身だけ身体を起こす。…喧嘩なんてすぐバレるので宮崎や上原には……怒られた。とにかく…怖かったなぁ。
「立てるか?」
「なんとかな…駿、手貸して」
「はぁ?ったく…」
俺は少しずつゆっくりと立ちながら一馬に手を貸す。まだ身体のあちこちが痛く、こりゃ病院行きだなと思いながら一馬を立たせる。うわっ…右頬らへんに青タンできてんじゃん…家帰って消毒しねぇとな。
「サンキュー。…じゃあ帰るか?」
「ああ…そうだな」
俺たちは身体のあちこちを手で押さえながらゆっくりと歩き、教室に……って、入りにくいな。このまま一馬に入らそうか?
「一馬、俺ここらへんが今激痛で歩きそうにねぇ…悪いが鞄を取ってきてくれないか?」
「あん?…ったく、仕方ないねぇ…」
「おう…悪いな」
やっぱり…持つべきものはやっぱ友達だわ。
教室に入ったら宮崎がいるからな…相当入りにくい。…最後に秋山に会っておくか?いやけど…たった一週間…だしな。
「……………………………一応、会っとくか…」
いや、けどどうしよか…まだ俺たちは喋りにくい状態にあるしな。だとして喋らないで帰ったとしても、俺の気が済まないでいる。ああ俺…秋山の事、いつの間にかこんな存在になっていたのか…。俺はただ、
秋山と喋ったり、会ったりして、秋山と楽しみたいだけなんだ…。嫌いでもない。たまに厄介な時があるがそんなの秋山といたら当たり前だと思えばいい。……あいつと会ってあんまり日にち経ってないんだがな…たったの二ヶ月。俺は…こんなに秋山に心を許してたとはな。
「駿ー!おまた………ってあれ?いない…?」
「秋山!」
俺は隣のクラスの扉を勢い良く開けて、その名を呼ぶ。もう時間は休み時間で秋山は女子グループの団体と話をしていた。勿論俺が声をかけた事でそのみんなが俺に注目してるわけだが…。もう、この際関係ないか。俺は秋山と居たい。…こいつと口喧嘩をして、楽しみたいんだ。
「少し来てくれないか?」
「…な、何で?」
「話があるんだ」
……またそこからの沈黙。
さっさと答えろよ…。
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俺は、何も喋らない秋山を前に勝手に教室に入ってその手を引っ張った。
「いやっ!離して!」
見てくれてありがとうございます。




