宮崎との出会い
宮崎遥登場です!前の話が少しおもんなかったと思うので今回は前より面白くしようと頑張りました!
「えっ?」
「うおっ、美人…!」
おい…口に出すなよ。幸い聞こえなかっただけ良かったが。
「上本と……ごめん、誰だっけ?」
「いやそれひどくね!?ほとんど毎日喋ってるよな!?」
ハハハハハッ!
ナイス宮崎!
「嘘嘘分かってるって!ね、原田!」
「いやさ…俺結構傷ついたよ?」
「おい、一馬…お前泣いてんじゃねえよ?気持ち悪いだけだぜ?」
ほら、流石に宮崎も引いてんじゃねえか……つーか、名前も忘れられてんのにいけんのかよ一馬?多分今ので宮崎から対してのお前の好意はかなり低いと思う。
「ちょっと上本!こいつどうにかしてよ!」
「しょうがない。実はこいつお前に渡したい奴があってな。それでちょうど今お前に会えた事が感激で泣いてんだ、許してくれ」
「あーそっか……けどごめん、気持ち悪いしか印象持てないわ」
「いや普通に考えてそれおかしい人だろ!?俺はもっと普通な人間だ!」
「だから泣きながら言うなっ!そんな奴と俺友達になりたくねぇよ!」
ったく気持ち悪いな!
まぁ…ここくらいで宮崎の紹介くらいはしておこう。
名前は宮崎遥。……男子には結構モテるな。性格はこの通りだしダチもかなりいる。明るくて俺も何度か告白されてる場面を見るが、未だに誰とも付き合ってないらしい…。…聞いた話によると、宮崎は意中の人が居るらしくそれで振り続けてるらしいのだ。そういう奴に…一馬は今から気色悪い人形を渡すわけだが…。
「あのさ!宮崎。…お前って人形好き?」
「あー私さー、人形とか興味ないんだよね。むしろあったら捨てる方」
…………おい、最初から失敗してるじゃねぇーか…。絶対に宮崎は喜ぶっつったのはどこのどいつだよ。
俺は今分かった………一馬…お前、好きな人の趣味全然知ってねえな。
「あ…ははっ…そうなんだ…」
一馬はそう言うと、後ろに隠してた気色悪い人形を俺の手に………ってこいつ何してるんだよ!?
まさかこいつ俺からあげろって言ってんじゃねえだろうな……俺は一馬に分かるように耳打ちをする。
「おい…どういう事だよ」
「お前がそれあげろよ」
「はぁ?お前が最初にあげるって言ったんだろ」
「お前馬鹿かよ?さっきまでの会話聞いてただろ?だからそんなのあげたって喜ばれないだけだよ」
いや…そもそもお前からプレゼントくれても嬉しくても喜ばねぇよ…。
「だからお前がプレゼントしろっ」
だめだな…今のこいつは聞かねぇ。
…家に持って帰っても邪魔なだけだし。正直、あげるしかねぇか…しょうがねぇ。
俺は後ろから届いた宇宙人人形を宮崎に分かるように前に出した。
「何?これ?」
「お前に渡したい物だ」
「はぁ?上本が?けどさっき原田が渡したい物があるって言ってたから原田?」
「ううん、違う違う。駿のだよ!」
一馬は余計な一言を言って俺に全部を託す。
……こいつには後で百円を返してもらって夕食も奢らせてやる。…その為には頑張らねえとなー。
「すまねぇな宮崎。さっきのは照れ隠しだ。実は俺が宮崎に渡したい物があってな」
…今思ったが…俺超棒読み。
「う、うん…」
「俺さ、人形お前にプレゼントしようかと思ったんだが…今の話で渡すタイミングが分からなくなってよ。…嫌いだったらいらねよな」
俺はわざとらしく宮崎に言う。
宮崎はこういう言葉に弱い。
「ちょっと待ってよ!」
「んあ?」
「その…さ。原田だったら絶対受け取らなかったけど…特別に上本はその人形貰ってあげる。……上本だったら嬉しいからさ」
「お、おう?」
な、何だか予想してた言葉とは違うけど…まぁいいか?無事受け取ってもらえたしな。と、俺が一馬を見ると……
「な、何で宮崎あんな喜んでんだよ!俺が五千円出した意味がないよ!」
また泣きながらそう言ってる…お前、さっき宮崎が言ってたろ……お前だったら受け取らなかったって…。けど、五千円の意味がないのは同感してやるよ…また、返さなくちゃいけないな。
「ねぇ、上本」
「あん?どうした?」
俺が宮崎に視線を戻すと、その小さい宇宙人人形を手に持ちながら笑顔でありがとう。と、俺に言ってくれた。……結講可愛いじゃん。
「お前せこいよ駿!」
「あァ?」
…俺たちが二人で教室にへと向かっている瞬間、俺はそう一馬に言われた。
「んな事言われたってよ…お前が俺にそう言ったんだからしょうがねぇだろ」
「まぁ…そうだけどな?」
ここはあっさりと認めてくれる一馬。
流石、普通の奴とは違くて直ぐに頷いてくれる奴だ。
「あ、それと…お前に今日はたくさん用件を聞かされたからよ…今日の夕食と前の百円返せよ」
「はいっ!?そんなのは聞いてねぇよ!」
……そこはなかなか認めない一馬だった。
第一、お前が悪いんだからあっさり認めろよ。
「そういう事だからよろしくな」
「だから何でだよ!?」
「知るか」
「適当すぎ!」
「…こんな事で理由なんかいるのかっ……………」
…文を最後まで言おうとした瞬間……前を歩いている女子軍団の中に、秋山明日菜がいた…。
「秋山……」
俺はポツリとそう言って、さっきまでの会話を忘れてそこを呆然と見つめる。
「?おーい、駿?」
「黙れ、気が散る」
「最悪だな!?」
このままだと俺の前まで通るな……多分そこでバレるだろう……って別にばれてもいいけど。無性にあいつとあったら気まずい。今は。と思った瞬間……
秋山と目が合った。
「ヤベッ…」
俺は目線を外そうとするが……何故かそらせなかった。
だが……直ぐに二人の目線は違う場所にへと向かった。
…あいつと目が合った瞬間、直ぐにあいつは逸らして友達との会話に戻ったから。……そこまで怒ってんのかよ。…俺は無性にずっと秋山を横に来るまで見つめていた。そう…横に来た瞬間に声をかけたかったから。謝りの言葉を。俺は昨日から今日までずっと考え続けてきた。そうだ、俺だって優しい所と優しくないところがある。…それは俺にだって分からない優しさだ。…だから、そういうのを見極める人達がいる。
人に分からないなど言ってわいけない。
だって、そんな事言われたって本人は分からないからだ…。俺にも必ず欠点がある。それを……友達とかから教えてくれ、そこを直す。だけど俺は……それを秋山に言ってしまった。…絶対に言ってはいけないワードを。だから………
「悪い、秋山」
「えっ?」
ごめんな、秋山。
俺は、振り返った秋山を見ないふりで一馬を見る。
目で合図をふって、俺たちは歩き始める。やけに一馬は無言だが…何かを分かってるのだろうか?……ま、それもこいつの良いところだ。……ほら、俺……こうして人の優しい所……今の時点に見つけてる。
最後まで見てくれありがとうございます!




