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朝。目が覚めると、既にあいつはいなくなってた。
朝食を食べ、昼には早かったが暇だった為、街から離れた丘にある一本桜へと向かった。
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「おーいっ!さくら!どこだぁー?!」
丘に着いたはいいが、さくらの姿はない。
キョロキョロと辺りを見渡しながら、桜の樹に近づき、幹に背を預け…
(少し早く来過ぎたか)
桜の樹を見上げれば、膨らんだ蕾。
の夜は眠りに就いた。
最近じゃ雪の日もなくなって、気温も今週末から暖かくなっていくらしい…
(もうすぐ春なんだなぁ…)
と、考えていたところに感じた人の気配。
そちらに視線をやれば、さくらが俯いて立っていた。
「よう。わざわざ、こんな所に呼び出して何の用だ?」
「………それは」
「それは?」
さくらがゆっくりと俺の方へと近付いてくる。
「それは…。
…あなたを…
…今から…
殺しますッ!!」
告げられた言葉を理解する前に、さくらが片手を上げると凄い力で首を絞められる。
「さ…くら?…な、にを…」
「死んでください。…私のために…」
より一層首を絞められる。俺の体は持ち上げられ、足が地面から浮いた。俺は足をジタバタさせるだけで、見えない力に対して抵抗らしい抵抗も出来ずにいた。




