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ゼニスは視界の隅で笑う~争いはバトルで裁かれる、監視社会の現代版コロッセオ~  作者: 綴火(つづりび)


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第88話:ボーナスの使い道

「ボーナスくれるんだって......う~ん、なにがいいかな......」


((──遥は欲しい物はないの?))


「欲しいものね~......買い物に行ってもお金要らないしさ、ふふっ」


((──そうだね。))


「あえて欲しいものってないかもね。」


((──うん。))


「簡単に買えないもので考えた方がいいのかもね。

 例えば......家とか車とかさ。あはは」


((──契約によって、住居は管理されているから、

  新たに住宅購入または賃貸契約は不可だよ。

  車は可能だけれど、遥は運転免許証を所持していないよね。))


「まぁ、家は冗談だけどさ......車は、そうだね免許ないとムリじゃん。」


((──うん。))


ソファに座り端末を操作しながら、

食事のデリバリーメニューを眺める。


「欲しいものって、意外とないもんだね。」


((──そうだね。))


「衣食住が補償されていて、買い物しても支払い必要ないし......

 そんな状態で、欲しいものって逆に難しくない?とんちなのかな?」


((──頓智とは、すぐにや急にと言った頓に、知恵を合わせた言葉。

  つまり、管理官に言われた時に、すぐに知恵を絞って切り返していれば、

  頓智というニュアンスで正解だったね。))


「あっはは、ゼニス辞書、なんか久しぶり。」


((──うん。現状として考えれば、謎解きの方が合っているよ。))


「うんうん、解説ありがと。」


デリバリーメニューの中から、

唐揚げやチョコレートケーキなどを注文した。


「この謎は解ける気がしないな。あはは」


((──うん。唐揚げ定食、フライドポテト、チョコレートケーキ、

  炭酸飲料の注文を確認。))


「ゼニスとわたしが好きなものを注文しておいたよ。」


((──うん。))


「とりあえず、ボーナスはあとで思いついたらでいいかな。」


((──うん。そうだね。))


「今日さベルゼブブとバトルして思ったんだけど、

 打撃中心の空手だと限界あるんじゃないかって......」


((──空手を打撃技のベースにしつつ、

  他の格闘技から技を習得した方が今後の為になるといった意味だね。))


「うん、そんな感じ。蹴りは、そのままでいいとして、

 関節技とかなんか色々あるでしょ?

 そういうのも技のバリエーションとしてあった方が、

 攻撃する方法が増えるんじゃないかとかさ......」


((──そうだね。遥の考えは一理あるね。

  ただ、技を習得する為に師事するコーチが居ないから、

  AR表示や動画で学ぶしかないのが懸念される。))


「そうなんだよな~......師匠的な存在が居ればね......」


((──うん。))


部屋のチャイムが鳴り、

頼んでいたメニューが届く。


「やっぱり動画とかAR表示だと、習得するのは難しいよね。」


((──動画やAR表示は、イメージトレーニングには最適。

  ただし、バランスや力の入れ方、相手の抵抗など体感が得られない。

  実践練習は必須で、補助的な役割にしかならないね。))


「やっぱり、そうだよね......唐揚げうまっ。」


((──うん。非常に良い物だね。))


「あっ!」


((──どうしたの遥?))


「ボーナスってこれかっ!」


((──......))


「調停人は色んな格闘技のエキスパートだよね?」


((──うん。))


「その調停人をコーチとして、わたしの練習に付き合ってもらうのを

 ボーナスにできないかな~って思ったんだよね。」


((──それは、名案と言えるかもしれないね。))


「でしょ。それなら、体感的にも習得しやすいだろうし。」


((──そうだね。体感は習得には必須だからね。))


「ナイスわたし。ボーナスの使い道できた。あはは」


((──うん。))


「チョコケーキ甘くて美味しいね~、ゼニス。」


((──うん。チョコレートは幸福度アップだよ。))


「うん、幸福度は大事だもんね。」


食べ終えた食器をテーブルの隅に片づけ、

炭酸飲料で一息ついた。


「でも、調停人って忙しいんじゃないのかな?」


((──毎日、調停があるわけではないから、

  スケジュール調整は可能と推測できるよ。))


「そっか、あとは管理官がOKしてくれるかかな。」


((──うん。佐藤に伝えよう。))


「栞ちゃんね。」


((──うん。スミス。))


「佐藤さんだと、撮影クルーの人も同じだから、ややこしいな。ふふっ」


((──うん。佐藤とスミス。))


「佐藤さんと栞ちゃんね。あっはは」


炭酸飲料を飲みながら、

フライドポテトをつまむ。


「明日にでも、話しておこうかな。」


((──うん。それがいいね。))


「どんな格闘技のエキスパートをお願いするのがベストかな?」


((──遥の空手を活かして、足りない部分を補うとするなら、

  総合格闘技、柔術、レスリングが、グランドコントロールに優れているよ。))


「ほぉ~、わたしが知らない領域だね。」


((──関節技に特化するなら柔術、投げ技ならレスリング。))


「投げとか力ないとムリじゃん?」


((──仕掛けるタイミングや技術でカバーは可能。

  ただし、体格差があれば難しい局面が多いのも事実だね。))


「だよね~......じゃ~、柔術の関節技なら体格差があまり関係ないんじゃないの?」


((──うん。レバレッジ原理で、関節は骨の構造を利用して力を増幅するから、

  体重や筋力差を技術でほぼ無効化できる可能性があるよ。))


「てこの原理を利用するから、体格差があっても使えそうだね。」


((──うん。そうだね。))


フライドポテトと炭酸飲料の空き容器をゴミ箱に捨て、

歯磨きを済ませてベッドに潜り込む。


「柔術のコーチお願いしようか。」


((──うん。))


「おやすみ、ゼニス。」


((──おやすみ、遥。))

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