第52話:調停観覧予約
ゼニスの光が、
限界まで減衰する。
空間の奥で、
識別不能な処理が立ち上がった。
......監_視......系――再_構......成......
――対......象_群......抽......出――
......優......先......度......付――与......
――遙/深_度......睡......眠......
......介......入......可_否......判......定――
――実......行......制......限......解――除――
......感_覚......層......分......離......
――影......響......半......径......算......出――
......誤......差......収......束......
――――――――――
......ph_a......se......3_
――移......行......確......定――
......r_u......n......
――――――――――
_#_opt_l_ne_
......参_照......再......配......列......
――条......件......更......新――
――――――――――
......準......備......
――対......応......開......始――
処理は、
音もなく進行していた。
その静けさが、
夜を越えて続いていく。
カーテンの隙間から差し込む光が、
部屋をゆっくりと明るく照らしていく。
やさしい光が瞼を刺激し、
徐々に意識がクリアになってきた。
「ふわぁ〜......よく眠れた〜。
おはよ、ゼニス。」
((──おはよう、遥。
昨日の睡眠も、安定していたよ。))
「ゼニスは寝ないもんね? ふふっ」
((──うん。
人間と違って、
睡眠は必要ないからね。))
「そりゃそうか。あはは」
ベッドから降り、
バスルームへ向かう。
シャワーを浴びて、
サッと身支度を整え、部屋へと戻った。
「ねぇ、もしかしてだけど、
自治体も調停センターって名称でいいのかな?
それって、
傍聴みたいなのできるんじゃない?」
((──うん。
地区にある調停センターでは、
軽微なトラブルについては、
当事者同士の解決を重視しているから、
観覧は行われていない。
けれど、犯罪が扱われる自治体の調停センターでは、
観覧が可能だよ。))
「......観覧?」
((──うん。
本人確認を行った上で、
観覧チケットを購入すれば問題ない。))
「チケットは、購入するんだね......
無料だと思ってたよ......」
((──無料ではないんだ。
観覧には、チケットの購入が必須になるよ。))
「チケットを買ったら、
誰でも見れるんだね?」
((──そうだね。
自治体にもよるけれど、
会場の大きさが異なるから、
収容人数には限りがあるよ。))
「なるほど......
なんか、
ライブとか、格闘技の試合みたいだね。
ふふっ」
((──イメージとしては、近いと思うよ。
調停の観覧は人気があるから、
予約しておく方法もある。))
「予約すれば、席が確保できるんだ......
っていうか!人気あるの!?」
((──うん。
調停は、人気があるよ。))
「そうなんだ......面白いのかな?」
((──個人差はあるだろうけど、
観覧者が多いのは、事実だね。))
「そう言われると、
めっちゃ見たくなるんですけど〜!
あっはは」
((──遥らしいね。))
冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し、
グビグビと飲み干す。
「開催日とか決まってるんだよね?」
((──取り扱い件数にもよるけれど、
不定期開催と考えた方がいいかもね。))
「件数が少ないと、
定期的に開催できないからだね。」
((──その通り。
だから、不定期開催なんだ。))
「うんうん、納得。」
((──遥は、
調停を観覧したいんだね?))
「うん!見てみたいよね!」
ソファに腰を下ろし、
ゼニスを見つめる。
((──少し待っててね。
ひより市で、調停が開催されるか、
調べてみるよ。))
「ありがと、ゼニス。」
((──お待たせ。
本日、夜に開催予定があるよ。))
「おぉ〜!
タイムリーすぎる!」
((──うん。
タイミングが、とても良かったね。))
「あとは、
チケット買えるかどうかかな?」
((──そうだね。
見たいなら、予約しておこうか?))
「いいの?」
((──もちろん。))
「じゃあ、
お願いしようかな。」
((──OK。予約するね。))
「なんか、わくわくするね。」
((──遥。
観覧予約ができたよ。))
「やった〜!」
((──あとは、
時間までに、
会場へ行けば大丈夫だよ。))
「うん......
場所ってどこなんだろ?」
((──タクシーで、
行けばいいと思うよ。))
「あっ、そうだね。
駅前にタクシーたくさん停まってるもんね。」
((──うん。))
バッグに、
財布と鍵を入れる。
靴を履き、
ドアを開けて外へ出た。




