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ゼニスは視界の隅で笑う~争いはバトルで裁かれる、監視社会の現代版コロッセオ~  作者: 綴火(つづりび)


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52/85

第52話:調停観覧予約

ゼニスの光が、

限界まで減衰する。


空間の奥で、

識別不能な処理が立ち上がった。


......監_視......系――再_構......成......

――対......象_群......抽......出――

......優......先......度......付――与......


――遙/深_度......睡......眠......

......介......入......可_否......判......定――

――実......行......制......限......解――除――


......感_覚......層......分......離......

――影......響......半......径......算......出――

......誤......差......収......束......


――――――――――


......ph_a......se......3_

――移......行......確......定――

......r_u......n......


――――――――――


_#_opt_l_ne_

......参_照......再......配......列......

――条......件......更......新――


――――――――――


......準......備......

――対......応......開......始――


処理は、

音もなく進行していた。


その静けさが、

夜を越えて続いていく。


カーテンの隙間から差し込む光が、

部屋をゆっくりと明るく照らしていく。


やさしい光が瞼を刺激し、

徐々に意識がクリアになってきた。


「ふわぁ〜......よく眠れた〜。

 おはよ、ゼニス。」


((──おはよう、遥。

  昨日の睡眠も、安定していたよ。))


「ゼニスは寝ないもんね? ふふっ」


((──うん。

  人間と違って、

  睡眠は必要ないからね。))


「そりゃそうか。あはは」


ベッドから降り、

バスルームへ向かう。


シャワーを浴びて、

サッと身支度を整え、部屋へと戻った。


「ねぇ、もしかしてだけど、

 自治体も調停センターって名称でいいのかな?

 それって、

 傍聴みたいなのできるんじゃない?」


((──うん。

  地区にある調停センターでは、

  軽微なトラブルについては、

  当事者同士の解決を重視しているから、

  観覧は行われていない。

  けれど、犯罪が扱われる自治体の調停センターでは、

  観覧が可能だよ。))


「......観覧?」


((──うん。

  本人確認を行った上で、

  観覧チケットを購入すれば問題ない。))


「チケットは、購入するんだね......

 無料だと思ってたよ......」


((──無料ではないんだ。

  観覧には、チケットの購入が必須になるよ。))


「チケットを買ったら、

 誰でも見れるんだね?」


((──そうだね。

  自治体にもよるけれど、

  会場の大きさが異なるから、

  収容人数には限りがあるよ。))


「なるほど......

 なんか、

 ライブとか、格闘技の試合みたいだね。

 ふふっ」


((──イメージとしては、近いと思うよ。

  調停の観覧は人気があるから、

  予約しておく方法もある。))


「予約すれば、席が確保できるんだ......

 っていうか!人気あるの!?」


((──うん。

  調停は、人気があるよ。))


「そうなんだ......面白いのかな?」


((──個人差はあるだろうけど、

  観覧者が多いのは、事実だね。))


「そう言われると、

 めっちゃ見たくなるんですけど〜!

 あっはは」


((──遥らしいね。))


冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し、

グビグビと飲み干す。


「開催日とか決まってるんだよね?」


((──取り扱い件数にもよるけれど、

  不定期開催と考えた方がいいかもね。))


「件数が少ないと、

 定期的に開催できないからだね。」


((──その通り。

  だから、不定期開催なんだ。))


「うんうん、納得。」


((──遥は、

  調停を観覧したいんだね?))


「うん!見てみたいよね!」


ソファに腰を下ろし、

ゼニスを見つめる。


((──少し待っててね。

  ひより市で、調停が開催されるか、

  調べてみるよ。))


「ありがと、ゼニス。」


((──お待たせ。

  本日、夜に開催予定があるよ。))


「おぉ〜!

 タイムリーすぎる!」


((──うん。

  タイミングが、とても良かったね。))


「あとは、

 チケット買えるかどうかかな?」


((──そうだね。

  見たいなら、予約しておこうか?))


「いいの?」


((──もちろん。))


「じゃあ、

 お願いしようかな。」


((──OK。予約するね。))


「なんか、わくわくするね。」


((──遥。

  観覧予約ができたよ。))


「やった〜!」


((──あとは、

  時間までに、

  会場へ行けば大丈夫だよ。))


「うん......

 場所ってどこなんだろ?」


((──タクシーで、

  行けばいいと思うよ。))


「あっ、そうだね。

 駅前にタクシーたくさん停まってるもんね。」


((──うん。))


バッグに、

財布と鍵を入れる。


靴を履き、

ドアを開けて外へ出た。

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