表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/50

第34話:ゼニスと一緒なら......

「とりあえず、生活雑貨は揃えたけど......

 ご飯のこと忘れてたよ......

 ゼニスネットスーパーは、ご飯も買えるんだよね?」


((──ゼニスネットスーパーは正式名称ではありません。

  今回は『オゾンネットスーパー』を利用しました。

  購入する商品によって、注文先を変更することは可能です。

  食品はもちろん、家具や家電なども配送できます。))


「おぉ~!スゴイな~ゼニスネットスーパー! あっはは~」


((──はい。))


呆れたように、

淡い光が少し弱くなった。


「もしかして、呆れてんの?それか、諦めたか? ふふふ」


((──遥にとって、

  ネットスーパーはゼニスネットスーパーであると

  認識しました。))


「それはつまり......

 諦めた......観念したってことだね!」


((──はい。))


「じゃ~これからは、

 ゼニスネットスーパーってことで、よろしく~♪」


((──はい。))


「ご飯......食材とか、どうしようかな?

 せっかくだし、この辺をぶらぶらしながら、

 お店とか探してみようか?」


((──はい。周辺の環境把握は重要です。))


「うん、それじゃ~行ってみようか~!」


((──はい。))


財布と鍵を持ち、

部屋を出て、北口のほうへ歩く。


南口に比べると人もまばらで、

急いでいる感じがしない。


「南口に比べると、なんか時間の流れが遅く感じるね。」


((──このエリアは、

  通勤動線より生活動線が中心です。

  また、住宅の比率が高く業務施設が少ないため、

  移動の速度が全体的に緩やかです。))


「逆に南口の方は、商業施設とかオフィスもたくさんあるもんね......」


((──はい。))


サンクチュアリ27の手前を左に曲がると、

その先にコンビニの看板が見える。


「思ったより近くにコンビニあるじゃん! やった~!」


((──はい。生活圏にコンビニエンスストアがあると便利です。))


「ゼニスも、そういう判断なんだね~、ふふふ」


((──はい。遥にとって便利だということは重要です。))


「うん、ゼニスは優しいよね。」


コンビニを左手に見ながら、

右へ曲がって歩いていく。


そのまま真っすぐ歩いていくと、

前方にスーパーマーケットが見えた。


「ゼニス、スーパーあるじゃん!」


((──はい。))


「ここで買い物して帰ろうか?」


((──はい。))


店内を一通り見て回る。


スーパーマーケットだけあって、

棚に並んだ商品は多い。


((思ったんだけど......

  鍋とか調理器具ないから、

  食材買っても調理できないよね......えへへ))


((──はい。調理器具は、未購入です。))


((じゃ~......買うのは、お弁当とかお惣菜だね。))


((──はい。))


お弁当やお惣菜のコーナーへ周り、

唐揚げ弁当とレタスサラダをカゴに入れる。


((とりあえず、お弁当はOKだね。))


((──はい。))


((あとは......パンとかお菓子買おうかな?))


((──はい。))


((ゼニスは気になるお菓子ないの?ふふ))


((──特にはありません。))


((そっか......気になるのがあったら教えてね。))


((──はい。))


パンコーナー、お菓子コーナーを周り、

適当にカゴに入れていく。


((こんなもんでいいかな?))


((──はい。))


そのままセルフレジへ向かう。


画面に表示される手順どおりに、

商品をひとつずつ通していく。


ピッ、という音が規則正しく続いて、

考える間もなく会計が進む。


袋に詰めて、支払いを済ませた。


((お買い物終了だね。))


((──会計完了です。))


袋を持ち直して、出口へ向かう。


((近くにスーパーあってよかったね。))


((──はい。))


((ゼニスネットスーパーで、

  調理器具買わないとだね。))


((──はい。今から購入しますか?))


((帰ってからにしよっかな。))


((──はい。))


袋を持って、そのまま家へ向かう。


さっき通った道を戻るだけなのに、

手に持った重さのせいか、

少しだけ景色が違って見えた。


「意外と、スーパーの袋って重いよね」


((──はい。遥の食料が入っていますので。))


「あっはは、確かにね~!」


((──はい。))


そんなやりとりをしているうちに、

気づけば、アパートの前まで戻ってきていた。


鍵を取り出して、ドアを開ける。


袋をキッチンの端に置いて、

一息つく。


「ただいま~。」


((──お帰りなさい、遥。))


「ゼニスも、おかえり~。」


((──はい。帰宅を確認しました。))


そう言いながら、

そのままソファに腰を下ろす。


「調理器具のこと、考えないとだよね?」


((──はい。))


「あんまり、たくさん買ってもな......」


((──はい。必要最低限を提示しましょうか?))


「ゼニスが考えてくれるの?」


((──はい。))


そう言われた途端、

頭の中にいくつかの映像が浮かぶ。


小さめの鍋。

フライパン。

菜箸と、おたま。


「......おっ、こんなこともできるんだね!」


((──はい。

  オゾンネットスーパーでは、

  遥の思考を注文に変換していましたが、

  それは処理の一方向に過ぎません。))


「一方向......わたしの思考を変換したってことだよね?」


((──はい。

  遥の思考を受け取って、

  注文などの行動に変換することも、

  逆に、遥の思考へ情報を返すことも可能です。))


「なるほど......」


((──現在は、

  遥の思考に対応する映像や情報を整理し、

  共有しています。))


「だから、鍋とかフライパンが頭に浮かんだってことだね?」


((──はい。))


「なんか......スゴイね!」


((──処理としては、通常の範囲です。))


「じゃ~、ゼニスがオススメしてくれた調理器具の注文お願い。」


((──はい。注文を確定しました。))


「早っ! さすが、ゼニスネットスーパー!」


((──はい。ご注文ありがとうございます。))


「あっはは!その気になってんじゃん!」


((──はい。))


注文を終えて、

ソファの背にもたれて、ふっと息を吐く。


ゼニスと一緒なら、

新しい生活も楽しくなりそうな気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ