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【改稿版】戦国幻獣物語 〜目指せ、戦国ひきこもりモフモフ生活! 八百万の幻獣をモフって今日も生き抜くぞ、おぉーーっ!〜   作者: 蒼葵美
14XX年 モフってたら生活基盤ができました

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0028. まずは自分のステ確認

 両親の生まれたばかりの赤子に対するものとは思えない、異様に丁寧でへりくだった言葉遣い。

 まるで神仏に祈りを捧げるかのような態度。そのせいでゴリゴリに削られた私のSAN値を回復させるため、私は赤子の唯一にして最大の特権である「昼寝」に逃げ込んだ。

 どれくらい眠っただろうか。次に目を開けたとき、頭はすっきりと冴え渡っていた。

(もう逃げてばかりもいられない。このままじゃ、精神がもたないわ)


 私は決意した。まず現状を把握しよう、と。この異常な状況の原因、神々が私に何をしたのか、その全てを。

(どうせ体は動かせないし、言葉も喋れない。おむつを濡らすことしかできない無力な赤ん坊。なら、今できることは一つしかない!)

 私は意識を集中させ、転生前に卑弥呼様から教わった言葉を、心の中で力強く叫んだ。


(――ステータス、オープン!)

 すると、目の前に半透明の光のウィンドウがふわりと浮かび上がった。本当にゲームみたいだ。そこに映し出された文字を、私はゆっくりと目で追っていく。


【ステータス】

* 名前: 里見 琴

※ 「伏姫」の名前は、話として良かったのに〜〜、私は伏姫に未練があるわ

* 種族: 人間?(神の寵愛風味) Lv.0

※ 色々サービスしたら、人間からちょっとはみ出しちゃった。テヘッ

* 年齢: 0歳

* 称号: 宇迦之御魂神の寵愛、□□□の加護、◇◇◇の加護、他一名

* 職業: 陰陽師 Lv.0

* 習得術: [陰陽五行、式神、鑑定眼、易占術、厄祓術]

* スキル: 神威顕現、身体強化、料理、錬成、アイテムボックス

※ 手紙とオマケはアイテムボックスの中よ

* 能力値:

※ 評価:Q~SSSの20段階、Q=5, P=10 ... SSS=100 の5点刻み

※ 表示:現在値/素質(最大値)

* 体力:Q/D(A) / 力:Q/F(C) / 頑丈:Q/A(S)

* 器用:Q/S(SS) / 俊敏:Q/A(SS)

* 魔力:P/SS(SSS)

※ 見づらかったら、数値で確認してね。表示切り替えできるようにしてあるから


* 体力:5/70(85) / 力:5/60(75) / 頑丈:5/85(90)

* 器用:5/90(95) / 俊敏:5/85(95)

* 魔力:10/95(100)

※ 参考:かの天下無双の豪傑、軍神とか蜻蛉切りでもでさえ能力値の最高ランクは【D (70)】。あんた、バグってんで


…………。

 私は、そっとウィンドウを閉じようか、本気で悩んだ。見なかったことにしようか、と。

 前世で見たお笑い番組で、ボケが渋滞しすぎて、誰からツッコんでいいか分からなくなった芸人さんの気持ちが、今なら痛いほどわかる。情報量が多すぎる。ツッコミどころが、満載すぎる。

(落ち着け……落ち着くのよ、私。一つずつ、一つずつ確認していくのよ。よし、気合いを入れろ!)


 私は、まだ自由に動かせない両腕を、ぶんぶんと振り回すイメージをしながら、心の中で絶叫した。

「ツッコむぞぉぉぉおおお!!」


 まず、なんだ「神の寵愛風味」って! 私はカップ麺か何かなのか! 風味って何よ、出汁でも取れるっていうの!? しかも「テヘッ。」じゃないわよ! 開発者の悪ふざけが過ぎる!


 次に称号! 「宇迦之御魂神の寵愛」はあったから分かるとして、「□□□の加護」って何よ! 伏せ字にする意味! もったいぶらないで教えなさいよ! そして「他一名」って何!? その他大勢みたいに雑な扱いで済ませるな! 私に加護をくれた神様にも失礼でしょ!


 スキルもこう見ると、大概だわ! 交渉のときは、気にならなかったけど、職業スキルと合わせて10個って、ありすぎじゃないの。止めなさいよ

  そんなものより、赤ちゃんになった今は『安眠妨害無効スキル』とか『おむつ自動交換スキル』の方が一億倍欲しいわ!よく赤ちゃんから転生してる主人公は、ツッコまなかったな。


 そして極めつけは、この能力値!

 赤ちゃんだから現在値がQやPなのはいいとして、魔力だけちょっと高いのは何なのよ!? しかも素質の 器用S(90)、頑丈A(85)、魔力SS(95)って!?

 

「天下無双の豪傑、軍神とか蜻蛉切りでもでさえ能力値の最高ランクは【D (70)】」!?

 …………は?

 待って、待って、一回落ち着こう。つまり、戦国最強クラスの武将がDランク(70)なのに、私の素質はそれを遥かに上回るAとかSとかSSとか、そういうこと?

この注釈を知ってて、能力値決めたの?? 

 バランス調整という言葉を知らんのか、あの神々は! これじゃあ、私がくしゃみしただけで城の壁にヒビが入るんじゃないの!? ハイハイできるようになったら、床が抜けるんじゃないの!?

 そもそも、私の人生のコンセプトは「愛しのモフモフ達との穏やかで平和なひきこもりスローライフ」のはずだ。

 こんな俺TUEEE系の主人公みたいな、バグレベルのステータスは微塵も求めていない! これじゃトラブルの方から喜んで寄ってくるに決まってる! スローライフどころか、バトルと陰謀満載のハードモードじゃないの!

 コンセプトを理解しろ! 話を聞け! そして、限度を知れ! このポンコツ運営神どもめ!

 

 はあ、はあ……。少し落ち着こう。そうだ、大事な家族のステータスも見ておかないと。

 私は幻獣詳細に目を移す。狐火ちゃん……あなたも大概バグってるわね。


* 顕現: 狐火ちゃん(常時顕現)

【幻獣詳細①】

* 名前: 狐火

* 種族: 焔尾狐えんびこ

* 能力値:

* 体力:L(30)/A(85) / 力:L(30)/B(80) / 頑丈:N(20)/S(90)

* 器用:N(20)/B(80) / 俊敏:I(45)/SS(95)

* 魔力:G(55)/SS(95)


 俊敏と魔力のポテンシャルがSS(95)って。あなたが強いのは素直に嬉しいけど、頑丈さがN(20)なのは心配だわ。これは私が守ってあげないと。

 結局、二人して規格外じゃないの!

 あの悪趣味な神々のニヤニヤ顔を思い浮かべながら、私は赤子にできる最大限の抗議として、再び手足をバタつかせるのを繰り返すのだった。

 この理不尽な初期設定、いつか絶対に見返してやるんだから!

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