第6話 不良グループのリーダー
玲「なんでそいつがいるの・・・ときゆき」
誠「ねぇさん、誠って呼んでよ」
玲「おまえ、誠に何つっかかってんの?」
不良リーダー「おっおい・・・おっおっおねいさん?」
誠「え?知ってて来たんじゃないの?」
不良リーダー「っざけんな!聞いてねーよ!」
玲「よく分かんないけど、いいから帰んな」
不良リーダー「まさか、まことのねーちゃんだったとわ・・・」
玲「ほー、無視とはいい妥協してんな」
不良リーダー「いやいや、別に喧嘩がしたいわけじゃねぇんだよ」
玲「だまれ、クソ野郎」
不良リーダー「まことが裏で奴らから、いじめられていたのは俺も知らなかったんだよ。
俺のアイツらへの管理があまかったせいだ、すまなかった」
玲「それ、こっちに謝ってんの?
謝る相手がちげーだろ」
不良リーダー「あ・・・いや、言おうとは思ったんだけどよ、なかなか言い出せなくて・・・」
玲「帰んな」
不良リーダー「オレは!」玲「帰れ!」
不良リーダー「・・・。まこと、悪かったな」
翌日から不良グループのリーダーが学校に来ることはなかった。
それでも誠に対する周りの態度は、以前同様に優しいままだった。
誠は複雑な心境のまま、日々を送った。
冷泉の施した治療は時間こそかかったが、誠の足を着実に治していった。
時は流れる。
誠はもうすぐ中学卒業。
歩いて登校ができるようになっていた。
軽く走るぐらいなら、問題なく行える。
リハビリも兼ねて1人で、街中を走っていた時だった。
大人数に囲まれて、リンチにでもあいそうな男がいた。
誠は目を疑ったが、囲まれているのは不良グループのリーダーだった。
大きい声でリーダーが周りを説得しているようだ。
どうやら集団は、玲に復讐をしようとしているようで、リーダーはそれを止めているようだ。
「惚れているから手を出されたくねぇんだろ、キメェ」
1人がそう煽る。
不良のリーダーが答える。
「ちげぇよ、惚れてねー、ただ、復讐にはなんの価値もねぇって言ってんだ」
「あの人は何かを守ろうとしたから、あんなにつえーんだ」
「俺もそうだが、ここにいる奴らは誰かに見放されたり、親のいねぇ奴らばかりだ」
「俺達は孤独の辛さを知ってる。
だからこそ、苦しさや辛さを誰かにぶつけたくなる時もある」
「俺もそういう時期があった。
けどよ、そんな奴は本当の意味で強くなれねーんだよ」
「もがいても、もがいても、コソコソしてんのは心に迷いがあるからだろ?誰も悪にはなりきれねぇ」
「勇気がいるけどよ、誰かに必要とされるためには、まず誰かのために動かねーといけねーんだよ」
「誠みたいに足が動かない奴がいたら、いじめるのが正しいのか?」
「知ってるぞ。お前らの中に、誠を車椅子ごと蹴り飛ばして、河川敷に落としたやつがいるだろ」
「誠は誰にも言ってねーけど、悪口だけじゃねぇ、つらいイジメにあってたから、あいつのねーちゃんは怒ったんだろ」
「俺たちが目指すべき存在は、誰かを傷つける存在じゃなけて、誰かを守れる存在だろーが!」
「お前達にとって今大切なものは、ここにいる全員じゃねーのかよ」
「俺にとってお前達は家族みてーなもんだから、お前達が誰かに苦しい思いをさせられたら、俺はぜってーそいつをゆるさねぇ」
「そういう気持ちを誰かに、向けてやれる事ができるように俺は努力してーんだ」
「なぁ、無駄なことはもーやめようぜ」
リーダーの問いかけに1人の男が動きだす。
「うるせーよ。唾ばっかりとばしやがって。
いいてーことはそれだけか?甘えちゃんよぉ」
周りの人間も呼応するように、ニヤニヤしながらリーダーを見る。
「悪になりきれねぇだ?舐めてんじゃねぇぞ?
こっちは全員好きに生きて、舐めた奴ぁ全員殺すって決めてんだよ」
「善悪で動いてんじゃねぇ、知らねぇ誰かのためにしてやれることなんか何ひとつもねぇよ!」
「自分のために生きてんだ。
そしてあの女は俺達の生き方を否定した」
「だから分からせてやるんだよ」
「それとなぁ・・・おまえ、もういらねぇから」
「腕っぷしだけつえーから、面倒ごとはてめーに尻拭いさせてリーダー面させてやったきたけどよぉ」
「てめぇのやることなすこと、寒気がするんだよ」
「ババアやジジイの介護を、一緒にやろうとか誘ってきやがってよぉ」
「みーんな、おめーと働いてるふりして、裏でタバコ吸ってたぜ?」
不良グループ一同「あはははははは!」
「女にやられちまうなんてな、お前の存在価値だった強さもな、もうおしまいなんだよ」
「もういらねぇよ、死ね」
不良グループがリーダーへ一斉に襲いかかる。




