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第26話

政也「・・・すまなかったとしか、言えない」


誠「なんだよ・・・それ」


政也「ディン・・・満足か?」


ディン「いーや、まだだ。

何のために俺がいるのか、証明してやる」


ディン「こんな急展開を使っておいて悪いが、改めて、俺の名前はディンだ。

玲と誠が北条家の都合によって、生み出された存在ならば、俺も同じ立場に当たる」


玲「え!?」誠「え?」


ディン「冷泉から少しは話を聞いているだろ?

でもその話は、最近の北条家のことだ。

重要なのは、もっと前だ」


政也「お前にそれを語る資格があると?」


ディン「黙ってろ。

お前は今の北条だけを生きている。

だが、俺は常に全てだ。

お前と俺とでは、見ている視野が全く違う」


政也「言わせてお」ディン「犬みたいキャンキャン吠えるのはやめろ」


政也「なんだと?」


ディン「俺やお前1人が、どうこうできる話しじゃないって言ってんだ」


政也「・・・もういい。

お前はいつだってそうだ・・・勝手にしろ」


ディン「あぁ、それでいい」


ディン「俺が生まれる前からも、北条には本家と分家が存在した。

だけど、分家は子供を作らない、そんな掟は存在しなかった。

本家だろうと分家だろうと、家族はいたし、その家族の中から分家に入る人もいれば、入らない人もいた」


ディン「そして、本家には必ず北条の血筋がいた」


ディン「てっぺんの血筋が、てっぺんになる。

天皇とかもそうだけどよ、昔からそういうもんだろ?」


ディン「だけどもだ、北条が大事にしたのは、伝承者の考えだった。

才能より意思、ってやつだな」


ディン「北条が本家だからといって、当主になるわけじゃない。

分家の人間でも、実力、人望があって、皆んなに認められれば、本家の当主になれる。

これは大きな違いかもな」


ディン「別に北条の血筋が、本家から追い出されるわけでもないし、在り方としては問題なかった」


ディン「そうしてある日、俺が本家に生まれたわけだ」


誠「北条の血を引いてるんだ・・・」


ディン「本家の俺と、分家だった政也と、友輝・・・あー友輝ってのは東条のことな。

この3人は特に期待を寄せられていたよ。

正直この頃は3人で切磋琢磨して、すげー楽しかった」


ディン「だが俺の存在をどーしても許せない分家の一部が現れた」


ディン「俺の母親が日本人じゃなかったからだ」


誠「なんだよそれ、意思が大事とか言ってるくせに」


ディン「だろ?それもよー小さい頃は特に何もしてこなかったのに、俺が将来の当主候補だなんて話しが出た矢先にこれだからな」


ディン「そこからの嫌がらせは酷かったぜ」


ディン「なんせ、母さんは自殺しちまったしな」


玲「!?」


玲「・・・ひどい」


ディン「俺は絶望したよ。

信じてきたものに裏切られる気持ちは、死にたくなるってもんだった」


誠「・・・分かる気がする」


ディン「でもよ、政也と友輝は俺を常に守ってくれた。

それでいて、俺が当主になって、北条を一緒に変えようって言ってたな」


政也「そうだ、俺達は分家同士でも争うくらい、異議を唱え続けた。

だが結局、お前は俺たちを捨てて逃げたんだ」


誠「・・・なんで」


政也「そうだ!何故なんだ!」誠「ちがう!」


誠「なんで・・・そんな時に、北条の事情を押し付けたの?」

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