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 009 陽菜サイド お兄ちゃんのいない中学時代


お母さんはお父さんとお母さん側が休みの日に引っ越ししようと言ってたけどそんなの待てるわけないじゃん

だってまたあのお兄ちゃんと一緒に暮らせるんだよ


滑り台で転けた私を起こしてお兄ちゃん

チビで成長遅かった私がいじめられてたのを助けてくれたお兄ちゃん

林間学校でオリエンテーリングで遅れそうな私をおんぶしてくれたお兄ちゃん


私の中のお兄ちゃんは誰よりもヒーローだ

でもお兄ちゃんだから大きくなったらお兄ちゃんにも私にも恋人が出来て結婚しちゃうのかな?となんだかモヤモヤしてた


それがお父さんとお母さんが離婚した時にお兄ちゃんは私達とじゃなくお父さんと暮らすことになった

なんで?私達は兄妹だから一緒に暮らせるんじゃなかったの?

お兄ちゃんと離ればなれになった夜 私は泣きながらお母さんに文句を言った

この時にお母さんから言われた言葉は

「翔太君はお父さんの連れ子で陽菜は私の子供 私とお父さんは子供を連れた再婚なの 私達と血が繋がってない翔太君は引き取れないでしょ?」


なにそれ?

私とお兄ちゃんは兄妹じゃないの?

あんなに優しい世界一のお兄ちゃんがお兄ちゃんじゃないの?

あれ?お兄ちゃんが私のお兄ちゃんじゃないってことは私とお兄ちゃんは兄妹以外の道があるの?

嬉しいのか悲しいのか?

一緒に暮らせないのは悲しい

でも頑張れば私はお兄ちゃんの恋人になってそのまま結婚も出来るの?

頭の中がぐるぐる回る


取り敢えず私とお兄ちゃんは違う中学校に通うことになってた

でもお兄ちゃんはお母さんや私と血が繋がってないことは知らされてないらしく月に一回はお母さんと会うそうだ

お父さんとお兄ちゃんは見た目はそっくりだけど性格は全く違ってお母さんにとっても理想の息子に近いらしい

「そりゃ生んではないけど私が育てたんだから性格が良いのは当然」

とお母さんは言ってた

私もお母さんに育てられたんだけどなと思うんだけど


お母さんに

「陽菜も翔太君に会いに行く?」

と言われた

本当は会いたいけど会ったら離れたくなくなるから会わないと言った

それより私はお兄ちゃんと同じ高校に行きたいからお兄ちゃんの志望校を聞いて欲しいとお母さんに言った

それとお父さんお母さんにはやり直して欲しいからお母さんの本音をお兄ちゃんを゙通じてでもお父さんに言って欲しいことも言った


お母さんがお兄ちゃんと会う度にお兄ちゃんの様子を聞いた

相変わらず明るくて自分達の暮らしもバタバタしてるのにお母さんや私の心配をしてくれること

お父さんにはお父さんが頭を下げてやり直すように言ってくれてること

料理はほとんど出来ないけど洗濯や掃除は頑張ってること

勉強も頑張って結構レベル高い高校を目指してること

って私も勉強頑張らないと同じ高校に行けないじゃん


と考えているとお母さんは

「あの人とやり直すより翔太君と結婚しようかな?」

とおそろしいことを言い出した

「私のお兄ちゃんなんだから取っちゃダメ」

と怒ると

「分ってるから 陽菜も頑張らないと翔太君は他のところに行っちゃうぞ」

と言われた


全く娘の勉強スイッチの入れ方を良くご存知で

生活費の援助はお父さんがしてくれるらしいけど塾や家庭教師とかに頼るとお母さんの負担頑張る増えるから

自分で勉強しないとだな

てかお母さんもパート頑張ってるから私はもっと家のことを頑張らないと

お兄ちゃんが苦手なら私は料理から頑張るかな

お母さんは料理上手いからお母さんに習わないと

洗濯と掃除も私が頑張らないと



評価ブクマありがとうございます。

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