051 翔太の返事
沈黙に耐えられないように翔太が口を開く
「また一緒に住むまで血が繋がってないことは知らなかった 一緒に住みだしてから陽菜や母さんの言葉でそれとなく気付いた」
「そっか それでどう思ったの?」
「どう思ったって?」
「こんなにかわいい妹と血が繋がってなくてラッキーとか付き合えるとか」
「正直に言うとどう接して良いか分からなくなった」
「なにそれ?」
「いや こんなにかわいい他人が壁1枚隔てて寝てるんだぞ 親父も母さんもいない時も多いのに」
「意識 してくれてたんだ」
「意識するなって言う方が無理だろ で陽菜はいつから知ってたんだよ」
「私はお父さんとお母さんが離婚してすぐ なんでお兄ちゃんは一緒じゃないの?ってお母さんに聞いたらね」
「そんなに前から知ってたんだ だから中学の頃には会わなかったのか?」
「逆だよ 私が好きだったお兄ちゃんと血が繋がってないとか どんな顔して会えば良いのか分からなくなったから」
「好きって・・・」
「やっぱり気付いてなかったんだね 私は昔からお兄ちゃんが好きだったんだよ」
「全然気付いてなかった」
「小学校の頃の私の成績覚えてる? 良くお兄ちゃんに教えてもらってたのに成績悪くてさ」
「そりゃ 4月生まれと3月生まれ ほとんど一学年差が有るから仕方ないだろ」
「てか あのままじゃお兄ちゃんと同じ高校に行けないと思って頑張ったんだよ」
「陽菜・・・」
「お母さんからお兄ちゃんの志望校聞いて でも今のままじゃ私は入れないけど塾に行くのはお母さんに迷惑かけるからって放課後に先生達に質問しまくってさ」
「そっか 頑張ったんだな」
「うん お兄ちゃん あれ? 私いつの間にお兄ちゃんって言ってたんだろ? 翔太と同じ高校に行くために頑張って」
「おう」
「お弁当もお母さんが作ってたけど私が作ろうと頑張って」
「それは分かった 俺の好物が入ってること増えたから」
「翔太が美味しそうにお弁当食べてありがとうと言ってくれるのが嬉しくて」
「うん 美味かった」
「えへへ でしょ」
俺の前に立っていた陽菜は自慢げにそして嬉しそうに笑った
俺は立ち上がると我慢出来ずに陽菜を抱き締めた
「ちょっ 翔太」
「なんか俺は陽菜にしっかり意思表示してなかったなって」
「・・・」
「妹だと思っていた陽菜と血が繋がってないのが分かってどうして良いか分からなかったけど 俺はずっと陽菜が好きだったんだ」
「どうしたの? 翔太 急に」
「改めて俺は陽菜が好きです 付き合って下さい」
「こちらこそ 私も翔太が好きです」
俺に抱き締められて驚いていたような陽菜は俺を強く抱き締めた
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