050 陽菜の告白
「そうだ ちょっと話良いか?」
「なによ こんな姿の私に欲情した?」
「さっきまで恥しがってたクセになに言ってるんだよ 菜々子ちゃんのことだよ」
「なになに? 私に菜々ちゃんを取られて悔しいって話?」
「そんなことねーよ てか人に対する菜々子ちゃんの距離感の話 今日も急に陽菜にベタベタしてきただろ?」
「まあね でも妹みたくてかわいいよ」
「陽菜がそう思ってるのなら良いけどおばさんが心配してて相談されたんだよ」
「相談?」
「転校してきた菜々子ちゃんが少し仲良くなった同級生にベタベタして 元々あった人間関係がギクシャクしたらしい それで菜々子ちゃんがイジメと言う一部の人に無視されてるみたいなんだって」
「なにそれ? ちっちゃい奴らだな」
「っても転校生がイキナリ陽菜と倉持さんや吹石さんの中に入ってきて腕組んだり陽菜がいないところで盛り上がってたらイヤじゃねーの?」
「・・・ まあね モヤモヤするかも」
「それが女子生徒だけじゃなく男子生徒にもするんだって」
「それは・・・ ちょっとマズいかも」
「だろ おばさんも言ってるけど俺と陽菜からも言ってくれないか?と言われた」
「なるほどね 言われてみれば一瞬で距離感変わったね」
「陽菜と菜々子ちゃんが仲良いのは良いけど普通の友達はこんなにベタベタしないと教えないとイケないかなって」
「そうだね 確かにこのままじゃマズいかもね」
「だろ でもどうしたもんかと思ってさ」
「そして翔太はもっと私とベタベタしたいと」
「なに言ってるの? それじゃ菜々子ちゃんに逆効果だろ」
「冗談よ 冗談 で どうする?」
「やっぱり俺達はイトコ同士だからこの距離感もありだけど友達との急接近はマズいと言うしかなくね?」
「うん 私も朝になったらおばさんと話してみるよ その間は菜々ちゃんお願い」
「了解 で 俺が話があるとか言ったんだけどその姿で俺の前にくるなよ」
「なになに? 照れてるの? なんなら私も菜々ちゃんみたいな距離感にしようか?」
と言うと陽菜は俺に後ろから抱きついてきた
「ちょっ なにやってんだよ 当たってるこら」
「愛美ほどじゃないけど私も感じてくれた?」
「菜々子ちゃんにつられて陽菜も距離感バグった?」
「ってことにしてて」
「影響されすぎだろ 戻るぞ」
「てかね 翔太にくっつくと落ち着くんとけどドキドキするの」
「どうした? 急に」
「こないだの花火大会で翔太と愛美が仲良さげだったのもここに来て菜々ちゃんが翔太にベタベタしてたのも何だか見てるとモヤモヤしたんだよね 私って翔太のこと好きなのかなって」
「陽菜 俺達は一応兄妹だし」
「一応って 翔太も私と翔太が血が繋がってないの知ってたの?」
俺が返事に困っていると静寂の中に波の音だけが響いていた
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