011 陽菜がいる朝
しかし陽菜の料理美味しかったな
てかあの手際だよ
料理してるって感じだった
学校で見ても大きくなったなぁと思ってたけど家で見るともうあのチビだった面影はない
俺より大人なんじゃないかとさえ思える
ベッドの上で横になって俺はぼんやりと考えていた
そう言えば今日の陽菜はやたらとベタベタしてきてたな
学校では全然なのに
って学校でベタベタされたら多くの男子生徒を敵に回しそうだから許して欲しい
あれ?
あの腕に当たってた感触を思い出すと色々とヤバい
俺って妹を゙そんな目で見る変態だったのか?
陽菜が小学校の頃はそんなことなかったよな?
久しぶりに一緒に暮らして行動してるから変に意識しているだけだよな?
また仲の良い兄妹に戻れる外す
そう言えば明日から夏休みか
ってことは昼間はこの家に俺と陽菜がふたりきり?
早く陽菜が小さかった頃の感覚に戻さないと色々とマズい
煩悩おさまれと思っているといつの間にか寝ていたみたい
翌朝
起きて時計を見て慌てた
がきょうから夏休みだった
ほっとしながらTシャツにボクサーブリーフで洗面所に向かった
顔を洗ってタオルに手を伸ばすと
「はいっ」
と女性の声がした
しまった
昨日から陽菜も母さんも泊まってるんだった
母さんは仕事だけど俺と同じ高校の陽菜も夏休みだよね
「ありがとう それとすまん いつものクセでこんな格好でおりてきた」
と陽菜に向かって頭を下げた
「おはよう 翔太 お母さんが朝ご飯作ってくれてるよ」
と何気ない返事をくれた
とは言え恐る恐る頭を上げるとなぜ?って感じで首を傾げている陽菜がいた
なんだ?その無防備な表情は?
なんとなく恥ずかしくて顔を見ることが出来ずに視線を落としていくと陽菜の胸元に視線が釘付けになった
昨日の買い物の時もキャミソールにショートパンツだったけど今日はノーブラ?
なんとなくポチッとなってる所の色が少し・・・
「さすがに俺も短パンの履いてくる」
と言い残して自分の部屋に上がろうとした
あれ?今の俺の声って絶対裏返ってたよな?
てか陽菜がいる初日からミスった
と思っていると
「早く食べないとお味噌汁冷めちゃうよ」
と下から陽菜の声が響いた
そんなに気にしてないのか?気を使ってくれてるのか?
取り敢えず短パンを履いてリビングに向う
「もうご飯食べるでしょ? 翔太」
「うん 陽菜はもう食ったのか?」
「翔太と一緒に食べようと待ってた あっ せっかく家に人がいるんだから一緒に食べた方が美味しいかと思っただけだからね」
と言うと陽菜はリビングからキッチンへ行った
陽菜がご飯を運んで来てくれた
ご飯に味噌汁に卵焼きに昨日の残りの肉じゃがとほうれん草はごま和えになっていた
「さあ 食べよ」
陽菜に促されテーブルに座る
「いただきます」
誰かといただきますって言って誰かに作ってもらった料理をここで食べるのって母さんと陽菜が出て行って以来だなぁと思っていると
「お母さんの卵焼き久し振り」
と陽菜が嬉しそうに食べていた
そうだよな お弁当の卵焼きは陽菜が作ってくれてたんだよな
と思いながら卵焼きを一口食べる
しっかり巻いてあって出汁が効いた薄味の卵焼き
「おー 母さんの卵焼きの味だ」
と俺が言うと陽菜は少し口を尖らして
「やっぱりお母さんの卵焼きが良いの?」
と聞いてきた
「ううん? 懐かしい味だなって思ってさ 俺は少し甘くて柔らかい陽菜の卵焼きの方が好みだなぁ」
と俺が返事をすると陽菜は耳まで真っ赤にして固まっていた
「どうした? 久し振りに家で寝てあまり寝られなかったか?」
と言うと陽菜は無言でブンブンと首を振っていた
いったいどうしたんた?
評価ブクマありがとうございます。
誤字脱字報告助かってます。




