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お迎え(後)

大変です。大変です。



予想外の事態になりました…。




私、伯爵家のお迎えと思われる馬車の行列を見ながら慌てる人々の様子を見て、正直嘲笑っておりました。


普段子供じみた嫌がらせをする者達の焦りぶりが面白くて屋敷に入っていくまでの様子を楽しく拝見していたのです。(性格の悪さは自覚しております(2回目))


だから、バチが当たったのかしら?



見えなくなってからも、お屋敷がなんかずーっと騒がしく、やっと落ち着いたかと思ったら私の部屋のドアが突然開きました。



そう、バーンッとそれは激しく。


ノックぐらいしてほしいなぁと思いつつ見れば



なんと第二王子殿下登場!!




…いや、第二王子殿下の登場はどうでも良いのです。(ノックはして欲しかったけど)


来たのはなんとなく気付いてたし。(王家の紋あるなぁって見てたし)


王家の皆さん割と昔からフットワーク軽いので王族の中の誰かかなぁとは思ってました。(苦笑)



私はとりあえず、すぐに立ち上がりカーテシーをしつつ頭を下げます。(この姿勢、前世の足痩せお腹痩せの筋トレを思い出します)


通常、王族に対して自分から声を掛けるのは不敬にあたるので、お声がかかるまではそのまま待ちます。(まぁ、それなりの仲なのでやらなくても怒られないだろうけど)


「…っ!…こんな時まで、そんな事しなくていいよ!」


従兄でもある、第二王子殿下は慌てて駆け寄ると私をそっと抱きしめました。



いや、いくら従兄でも近すぎるから離れて。



「…お久しぶりでございます。…本日はこのような姿で誠に申し訳ございません」


さりげなく手で胸元を押しのけ王子とのスペースを確保しつつ、最低限の挨拶をします。


とりあえず、発言の許可はおりたと受け取りました。



「本日はどのようなご用件で…?」


いや、伯爵家のお使いかなぁとは思ってるけど、一応マナーとして聞いておかないとね!


我が従兄殿は何やら悲痛そうな顔をして部屋を見渡します。


後ろに控えた側近やさらにドアの向こうからこちらを気にしている騎士っぽい人達も同じような雰囲気です。


あ、わかってくれます?この不遇ぶり。


見て下さい!こんなところにはこんな粗末な食器まで!


前世のおばちゃんが顔を出し、本当なら更なる不遇ぶりのプレゼンを始めたい所ですが、なんとか耐えました。



「今日は…伯爵からこれを預かってきた…」


第二王子殿下は私へと優しい微笑みをみせるとサッと後ろの側近っぽい人から書類を受け取り私へと渡します。


書類!つまり離縁状か?(待ってました!)






なんと、第二王子殿下が持参したのは結婚白紙撤回状!



結婚白紙撤回状⁉︎



お父様の事なのでうまくいけば、すぐに離縁状とか用意してくれてたりするのかなぁって呑気に思っておりました。


流石に手続きとか面倒なのかなぁ、嫌だなぁと思っておりました。


しかし、結婚白紙撤回状?



結婚…白紙…撤回…



……結婚白紙撤回状。



 …えぇ…お父様…  

      


          …がっかりですわ…




…これでは、また未婚の令嬢へ戻ってしまうではないですか。


え?また結婚を考えないといけないの?


嫌なんですけど…



私としては、適切な処置が終わり次第、私の領地の修道院(ゆる~い所)へと入り、のんびりと楽しい老後を過ごすか、領地のお屋敷にてお飾りの領主(すでに管理人は居るのでどうにかなると信じています)としてのんびりと楽しい老後を過ごすかの2択だったのですが…



私の悲痛な思いのこもった視線をどう受け止めたのか、王子は私の頭にポンッと優しく手を乗せます。(だから、距離が近いって…!)


サッと離れた私に優しい視線を向けつつ、第二王子殿下は素晴らしい手腕で、このお屋敷の全ての者を捕縛しました。




…そう、捕縛…


…やっぱり全員捕まるのね。



……



…あ、当然ですが、捕まった彼女らは馬車には乗れません。





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― 新着の感想 ―
[気になる点] 王子様の登場でサブタイトル『おむかえ』が意味深になった………
[良い点] 第二王子もしや……?ヾ(≧∀≦*)ノ〃うきゃあ。 やっぱり捕まりますよね。いくら下位貴族でも王家に連なる伯爵家を知らないとか頭がお花畑栽培してるんですね。 パーティーとかでも見掛けたと思う…
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