表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

第1話

   

 秋晴れの青空が広がる、平和な一日のはずだった。

 近所のショッピングモールで買い物をするのも、私の週末の過ごし方としては、ごく当たり前の出来事だった。


 五階建てのビルであり、例えば婦人服は二階、紳士服や子供用品は三階、本や家電は四階というように、上にはテナントが入っている。一方、一階はモール直営の食品売場になっており、私が利用するのも(もっぱ)らそこばかり。

 今日の夕食用の惣菜だけでなく、一週間分の食材なども買い込んで、いざモールから出ようとしたところで……。


「おや?」

 エントランスホールでは、並木道を模して、壁際に樹々が植えられている。その一本の根元に、土とは異なる茶色の塊が落ちており、それが私の目を引いたのだ。

 近寄ってみると、立派な財布だった。手に取れば、ずっしりと重い。

 客の落とし物だろう。落とし主は、さぞや困っているに違いない。

 見て見ぬふりは出来ず、私は踵を返して、サービスカウンターへ。


「これ、落ちていました。入ってすぐのところです」

「ありがとうございます。お手数ですが……」

 係員の女性から、手続き書類を差し出されて……。

「警察を呼んでくれ! 財布をすられたんだ!」

 冒頭の事件に遭遇したのだった。

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ