エニューオー
ある日、人生に落ちぶれた少年、葛井荘司と猫のシャニーが公園で出会った。
その2人は突然2人で1つの身体であるエニューオーという存在になってしまった。
エニューオーにはそれぞれ特殊な能力があり...。
この物語は、そんな動物と人間の絆を描いた異能力バトル小説である。
「んーと、ここに例の...ん、なんだぁ?あのダンボール。」
荘司とシャニーが驚いていると、外から声が聞こえてきた。
「やべー!やべー!どーすんだよ!シャニー!」
「え、えーと!あ、あぁわわ!!」
足音が近づき、ダンボールが開いた。
「...ん。ねこ...か。」
「あ、どうも...。」
「あー、ごめんねー。勝手に開けちゃってー」
その男は身長の高いのほほんとした見た目だった。
一瞬の沈黙の後、彼が大きな声を出した。
「って!お前!同位体の猫じゃねーか!?」
「ど、同位体!?」
「もしかして、今なったばかりか!?」
彼はすごく驚いた顔で話し始めた。
「単刀直入に言わせてもらうね、君はエニューオーと言われているものになったんだよ。」
「え、エニューオー?」
シャニーが困惑していると彼が自慢げに言った。
「ヌロー。」
すると、彼の体はみるみると変わっていき最終的に鷹のような姿になった。
「お前も、代われるはずだぜ。そう、もう1人の人間と。言ってみな?」
きっともう1人の人間とは荘司のことだ。
「ぬ、ヌロー。」
シャニーが彼の言葉を信じ、ヌローと言うとみるみると体が変化していき、荘司の姿になった。
「体が...!?」
「人間と動物には深い絆があるんだ、お前らもきっと同じことを考えていたからエニューオーになったんじゃねーかな。」