異存在の内通者。
時は平成233年。夏。
ある日、人生に途方も暮れた少年。葛井荘司17歳が公園に立ち寄ると、そこには猫がいた。
その猫を見つめていると、急に猫が誰かに襲われ、首を斬られた。
荘司が恐怖に怯えていると。
猫が死体のまま何もなかったかのように、
「ニャァァ」
と声を上げてくる。
荘司がこの状態に混乱していると...。
猫がこっちを見つめていると、
目の前に写っていた光景が一瞬にして元に戻った。
まるで過去に戻ったかのように。
「な...なんなんだこれは...?今、猫が...死んで。犯人が......。」
混乱に陥った。
こんなこと初めてだ。
これは夢なのかとも思った。
だが、どうしても現実だ。
荘司が怯えていると、
「僕は...今、死んだのか...!?」
と声が聞こえた。
ふと声がする方を見ると、そこには...
___あの猫がいた。
今さっき死んだはずのあの猫だ。
「き、君...人間の言葉を話せるのか...?」
恐る恐る声をかけてみる。
すると、猫は驚いた。
「人間の言葉が...わかる!??なんでだ...!?なんでだ...!?なんでなのだぁぁ!」
1人と1匹。どちらも混乱状態になっていた。
心臓が飛び出しそうなくらい驚いていた荘司だが、勇気を出してまた声を出した。
「おおおおお...一旦...!!落ち着こうぜ、、。こ、ここ...これも何かの縁だ...きっとそうだ...。だから...よ、、?とりとりとりとと...とりあえず!...落ち着こうぜぇぇ!??」
正直、荘司の方が落ち着いた方が良い状態だ。
猫はそれを聞き、
「あぁぁ..!?は、はいぃ..!!!そうですねぇ...!!!!??」
と驚きながらも返事をした。
___数分後。
どちらも呼吸を整え、気まずくなっていた。
先に話し出したのは猫の方だった。
「先ほどはご迷惑をかけてすみません!!僕はそこらの捨て猫です...。名前...は昔はあったような気がしたのですが飼われて数日で捨てられてしまいましたので今は...ないです!もしご迷惑でしたら僕は遠くへ行きます...。」
猫はきちんとマナーがなっていてお利口に見えた。
そんな猫に続いて荘司も喋った。
「遠くへは行くな!!俺は...葛井荘司...だ!!なぁ...猫と人間が話せるってのは確実におかしい...だからこそ2人でこの理由を探らないか...?」
すると猫はすぐに答えた。
「確かにそうですね...。そうしましょう!」
猫は落ち着いた口調で喋っていた。
だが、荘司は少しまだ硬い口調だった。