火事
ある日、人生に落ちぶれた少年、葛井荘司と猫のシャニーが公園で出会った。
その2人は突然2人で1つの身体であるエニューオーという存在になってしまった。
エニューオーにはそれぞれ特殊な能力があり...。
この物語は、そんな動物と人間の絆を描いた異能力バトルである。
「しぶといですね。あまり被害を拡大させたくは無いのですが...。仕方ありませんねぇぇぇぇい!?」
韓は大声を上げまた壁へ潜り込んだ。
そして1秒もしない内にラステラへ襲いかかった。
「ドュゥゥン!!!」
ラステラの左羽が噛みちぎられた。
「うおぉぉぉぉ!!??」
ラステラは弓を引いていたが、韓が近すぎて命中しなかったのだ。
その後も韓は次々とラステラを攻撃していく。
荘司とシャニーが心の中で話す。
「ど、どうすればいいんだ!?」
「どうしましょう...!!」
「そうだ!家の中にある何かを外のビルとかに1度くっつけて、ビルとかにその何かがくっつく前に自分自身にくっつければ...ブーメランとなるんじゃないか!?」
「それを活用しましょう!!後は作戦ですね...僕にいい作戦があります...!!」
荘司は能力で近くにあったバールと外の建物をくっつける。
するとバールは一直線に建物の方へ飛んでいき、獣瀬の家の壁を破壊した。
バールが外に出たタイミングで能力を解除し、また能力で自分とバールをくっつける。
荘司の元へバールは戻っていく!!
「これでブーメランの完成だ!!」
ラステラは韓からの攻撃を極力避けた!
その間も荘司はそれを繰り返し家の壁をどんどん破壊していく!
そして、時が来た!!
「ラステラさん!矢を放つんだ!!」
「おぉ...オォォォウウ!!」
「ヴォォオ!!」
ラステラが炎の矢を壁に放つ。
次の瞬間!!
「ヒューーーン!!」
荘司が破壊して開けた壁の穴から強風が入り込む。
「ブォォォォ!!!!」
火は燃え広がった。
「壁から入ってきた風...それに含まれる酸素で炎は広がる!!お前は...!!ここで壁とともに灰になればいい!!」
韓は壁に潜っていたが壁に広がる炎により攻撃をくらい続ける。
「ぐわぁぁぁぁ!!!」
「荘司行くぞ!!」
「ヌロー!!」
荘司は急いでシャニーに変わり、ラステラの背中に乗った。
ラステラは空高く舞い上がり、外へと飛んで行った。
燃え広がる獣瀬の家から取り残された韓の声が聞こえる。
「クソがァァァァ!!次...!!次だ!!次こそ捕らえて昇格してみせるゾォォォ...!!」