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2. 謎の洞窟でモンスター出現

扉を開ければ、そこは外の世界だった...!


と言いたかったが、


「一体どこだ、ここは!ただの洞窟じゃねぇかよぉぉぉ!」

「おい、お前があの扉用意したんだろ!?何とかしてくれよぉぉ!」


 謎の小動物を掴んで、揺さぶる。


「キュピピ~!」


 コイツ、キュピしか言わないのか。

 異世界だったら、喋る動物とかちょっと期待したのにな....


 そういえば、異世界に来ているとして、ステータスの確認とか出来るのだろうか。

 

 確認する方法は分からないが、とにかく念じてみるか。

 ステータスよ、出ろ!

 

 ..............................

 

 次は声に出してみる。


 「ステータス、確認!」


………………………...


 .......何も出なさそうだな。


 もしかして、稀にある、能力付与なしの異世界転移だろうか。


 それだけはやめてほしい!!


 だが、今はそんなことを考えている場合ではない!何とか外への出口を探さないとな。


 洞窟の中は薄暗くて、肌寒い。吐く息は白くなっている。早めに出ないと体が持たなさそうだ。


 今、目の前には一本道しかないから、まずはこの道に沿って進むしかないな。


 地面は凍り付いているため、裸足の俺は結構キツイ。

 次第に足早になりながら、前へ進む。


 その間、謎の小動物は俺の頭の上で、何とも珍しい鳴き声で休んでいるようだ。


 「キュピ〜...キュピ〜...」

 

 寝ているのか?まったくお気楽な奴だなと思いながらも、頭の上に乗ってくる行動に可愛さを感じてしまうのであった。


 やがて、2本の分かれ道が見えてきた。


 どっちに行くべきだろうか?


「キュピン!!」


 謎の小動物が急に起きた。少し大きな鳴き声を出して、短い手で左側を指している。


 これは左へ行けということか?

 真っ暗な空間に居た時も、扉の方へ導いてくれたし、信じてみるか。

 俺は左側の道へ進むことにした。


 左側の道へ入って道なりに沿って数分進むと、50メートル四方ほどの大きな広場へと着いた。

 綺麗なスカイブルーの結晶が、あちこちに散りばめられていて、幻想的な空間だ。


 洞窟にこんな広くて綺麗な空間なんてあるのか?人工的なものではないだろうか?と少し考えていると、突然目の前に巨大な石が降ってきた。


「うわぁぁぁぁ!危ない!!!!」


 見上げると、天井から次々と石が降ってくる......!


 まずい!とにかく非難だ!猛ダッシュで来た道に戻ろうとした!だが、勢いよく地面を蹴ろうとしたら、凍り付いた地面のせいで、転倒してしまった。


 謎の小動物を信じて左側の道へ進んだ俺がバカだった....!

 石に打たれて死ぬじゃないか!


 急いで立ち上がった時、さっきの巨大な石よりも、さらに大きな衝撃と共に何かが目の前に落ちた。


 俺は目を疑った。


「ド、ドラゴンーーーー!?」


 体中がスカイブルーの結晶で纏われたドラゴンだ。鋭い眼で睨まれ俺は思わず尻もちをつく。さらに自分の下半身が生ぬるいことに気づく。生まれて初めて失禁している.....


 見た目からして、かなり強そうなドラゴンだ....。普通ここは出てきたとしても、もっと弱いキャラでしょ!!

 あぁ、もうダメだ。恐怖で手の震えが止まらない。


 いや、でも諦めるのはまだ早いかもしれない。異世界に来たのであれば、ステータスは見れずとも、何か特殊な技を発動できるはず。


 魔法出てくれ!頼む!俺は咄嗟に右手をドラゴンの方へ向けて叫ぶ。


「出でよ、炎!!!!ドラゴンを倒したまえ!」



………...何も出ねぇぇ!!!!



ドラゴンは大きく口を開けて、中に何やら光を集めている。間違いなくアレを今から俺に放出する気だろう。


そうなると俺は確実に死ぬ。

俺は特殊能力っぽい物は持ってなさそうだし。本当にヤバイ......


「ちょ、ちょっとドラゴン待ってくれ!俺は敵じゃない!」


 もちろんドラゴンに話が通じるはずもなく、光の充填が完了して、今にも口から光の玉を放とうとしている。


 尻餅をついた状態から体を動かそうとしても、恐怖で動かない。


 動け!動け!動け...!



 わずかだが、足が動き始めた。

 

 よし、このまま立ち上がって逃げるぞ!!




 そう思った時だった。ドラゴンから光の玉が放たれたのだ。


 気づいた時にはもう遅く俺はグッと目を閉じた。




…………………………



 あれ?俺生きている?


 目をゆっくり開けると目の前には謎の小動物がいて、ガードしてくれている。やがてドラゴンの攻撃は消滅した。


 あのドラゴンの攻撃をこんな小さな体で防いだのか!?一体コイツは何者なんだ?

 いや、今はこんなことを考えている場合じゃない。逃げることが最優先だ!


 ドラゴンはまた同じ攻撃をしようと光を充填している。

 やばい!またか!


 さっきみたいに謎の小動物が防いでくれるかは分からない!とにかく逃げないと死ぬ.....!


「キュピピ~」

 

 謎の小動物は、宙に浮いたまま、ぼーっとしている。


 呑気だなぁ!オイ!!


 やばい!まじでやばい!

 

 ドラゴンは遠慮なしにもう一発打とうとしている。


 異世界に着て、こんな早く死ぬのかよ.....

 ちくしょう!

 こっち来て、まだ何もしてねえのに...


「こんなところで死んでたまるかぁぁぁ!!」

「ニート舐めるなよぉぉ!!!」


 もちろん、素手でドラゴンに殴りこみに行く勇気などなく、背を向けて猛ダッシュで遠ざかる。


 謎の小動物をドラゴンのところに置き忘れたことに気づいて振り返ったが、しっかりと宙に浮かびながら、俺に着いてきたようだ。


 あともう少しで、この広場から抜け出して、ドラゴンの目の届かなくなる......!

 

 「キュピピ~ピピ~」


 突然、謎の小動物が変な鳴き声を出しながら、ドラゴンの方へ戻りだした。


 「おい、戻ってこい!危ないぞ!!」

 

 一体なぜ戻るのか、コイツの目的はさっぱりわからない。

 どんな理由であれ、ドラゴンに近づくのは危険だ。俺は謎の小動物を追いかけて捕まえようとした。死ぬ思いで追いかけて、なんとかコイツを確保できた。

 

 少しだけ安心に浸っていたが、危険なことに変わりは無かった。 


 「ーーーやばい!!」


 ドラゴンが光の玉を放出してきた。

 さすがにこれは避け切れない。もう終わったと思ったが、せめてこの謎の小動物だけでも.....


 俺は、謎の小動物を力の限り、放り投げた。

 なんとかドラゴンの攻撃の範囲からは外れそうだ、良かった!助けてくれてありがとな!



 ドラゴンの攻撃に接触する瞬間だった。


 

 眩い光と共に、ドラゴンの攻撃と俺の間に何かが挟まってきた。

 目の前には金色の巨大な盾がある。


「もう大丈夫だからね、よく頑張ったね!」


 声の聞こえる先に振り返ると、体中に衝撃が走るーーーー!


 生涯これ以上の可愛い人は見ないであろう、銀髪の少女が立っていた。


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