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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

学園のアイドルである幼馴染に「お前じゃ勃たないから」って言ったら……

作者: jockey

どうしてこんなのを書いたんだろう……。



俺が通う私立の有名な高校には、学年だけではなく、学園中で有名な女子生徒がいる。

腰まであるしっとりとした黒髪に、明るく輝く紅色の瞳。

すれ違えば誰もが振り返るような容貌を持つ彼女は、試験では毎回学年トップ。

おまけに誰にも温厚で、非の打ち所のない完璧超人だ。

その少女の名前は綿宮 香幸(わたみや きょうか)

いわゆる学園のアイドルと呼ばれている美少女だ。

最近では生徒会の会長に立候補したとか言ってたな。

流石だ。

そして、誰もが憧れる彼女だが──。


「コウくん、ちょっと良い?」


実は俺の幼馴染だったりする。

ちなみにだが、香幸が言う『コウくん』とは俺のニックネームみたいなものである。

一度は辞めてと言ったが、彼女はその名前を気に入っていたのか、

一向に辞める気がなかったので、そのまま呼ばせる事にした。


「何だよ……」


使用していたスマホをポケットに入れる。

俺は椅子に座っていた為、香幸の顔を見上げる形になった。


「これ、コウくんのママからコウくんにメールだって」


「メール?」


そう言って、香幸は胸ポケットから俺が誕生日にあげたピンク色のスマホを取り出し、その画面を見せる

彼女の言う通り、そこには一件のメールが表示されていた。


『浩介へ。

これから三日ほどお爺ちゃんの所に行くから香幸ちゃんの家に泊まりなさい。

明日から学校休みだし、連れて行こうと思ったけど、うるさくなりそうだから辞めた。

勿論、香澄(知ってると思うけど、香幸ちゃんのお母さんね)には連絡して、お泊まりOKを貰ってあるから。

家に戻っても良いけど、鍵を厳重に閉めてるから。 無駄だよ。


じゃあ、三日間楽しんでくるわね。

バイバイ

by母より』


「……」


マジかよ……泣いて良い?

いや、マジで泣きたいんだけど……。

くそっ!

明日からゲームイベント周回しないといけないのに……。

どうやって、家に侵入しようかと考えていると「コウくん……」と香幸の声が聞こえてきた。


「ん?」


長く息を吐きながら、顔を上げる俺。

そこにはモジモジと顔を赤らめていた香幸がいた。

……可愛い。


「えっと……三日間よろしくね?」


「……ああ」


ゲームは……帰ってからでも間に合うか……。

それから部活を適当に終わらせ、校門前で待ち合わせしていた香幸と一緒に帰宅する。

彼女の家は俺の家と同じ住宅街にあるので、帰り道はほとんど一緒だった。


「ここだよ」


「知ってる……って、この前行ったばかりじゃん」


「そうだっけ? ああ、そうだったね。 とっても嬉しかったよ」


ニコニコと笑いながら、黒い扉を開けて、彼女の家にお邪魔する。

幼馴染の家の内装は俺の家とほとんど一緒であった。


「ただいま」


「お邪魔します……」


ローファーを脱ぎ、それを綺麗に整える。

すると、俺の後ろから足音が聞こえてきた。


「あら、帰ってきたのね」


「うん。 今帰ってきたばかりだよ」


「そう……ふーん」


そう言って、ニヤニヤと不気味に笑うのは、香幸のお母さんである香澄さんだ。

香澄さんはまだ二十代と言っても過言ではないほどの美人な方である。

香幸が学園のアイドルと言われている容姿を持つ最大の理由は、香澄さんの遺伝子だろうな。

まったく、俺の母さんとは大違いだ。


「あら、コウちゃんも居たのね。 お話は聞いてるわ」


「はい。 三日間お世話になります」


俺は礼儀良く挨拶する。

しかし、不満だったのか、香澄さんは持っていたテレビのリモコンを俺の頭に乗せた。


「コウちゃん? お世話になりますじゃなくて、ただいまで良いのよ?」


香澄さんはニコニコと笑っているが、その背後にあるのは、紫色の何かだ。

おかしいな……とっても怖いんだけど……。


「えっと……ただいま?」


「はい。 お帰りなさい」


ニッコリと微笑み香澄さん。

その時には、紫色の何かは何事もなかったように綺麗サッパリに消えていた、

それにしても美人だな。

いや、マジで俺の母さんも見習って欲しいわ。


「じゃあ、こっちにいらっしゃい」


それから少し三人で雑談をし、俺は香幸の部屋に来ていた。


「久しぶりだな……」


「でも、二ヶ月前も来てるでしょう?」


「ああ、香幸がインフルで倒れた時だな」


あの時は、あの香幸が倒れたと言われて、学園中で話題になったものだ。

完璧超人の香幸も人間だったと。

あの時は俺も大変だったな。

香幸にお見舞いに行きたいからその事を伝えてくれっていう奴が一日中俺に付き纏っていたからな。


「ふぅ……」


そんな懐かしい事を思い出しながら、俺は幼馴染の部屋を見渡す。

意外とぬいぐるみが多いな。

そんな事をやっていると、目の前でお茶を飲んでいた香幸が机に伏せた。

今の彼女は白いジャンパーを着ていたので──。


「おい、香幸……」


彼女のブラがちょっぴりと見える。

色は……黒かな?

目のやり場に困ると訊かれたら、そこまでではないが、ただ、ちょっと無防備な気がする。


「ん? どうしたのコウくん……これで気づくかな?」


最後、小声で何を言っていたような気がするが俺には聞き取る事ができなかった。

まあ、今はそんな事は良いだ。


「何がとは言わないが、見えてるんですけど……」


「何がって、なーに?」


ニヤニヤと笑う幼馴染。

ねえ、ちょっとキャラ変わってない?


「……ノーコメントだ」


「あっ、わかった。 これでしょ?」


そう言って、ジャンパーのファスナーを下げる香幸。

あの……キャラがどんどん崩壊していってるだけど……。

こんな香幸を見たのは二ヶ月ぶりだな。

あの時も一緒に寝ようとか言ってたし……。

……あっ、やっぱり黒だった。

良いね黒。

好きだよ。

いや、そんな事はどうでもいい。

感じたものは、あとで済ませるとして、今はどうやって切り抜けるかだ。

冷静を装う。

出来るだけ、冷静に。


「そうかもな……でも、お前じゃ勃たないから」


俺は熱々のお茶を飲んで、理性を強くする。

すると、温かったお茶を飲んでいるのに、全身に鳥肌が立つほどの冷たい風が流れた。

発生源は……香幸?

まるでこの世の終わりのような顔をする幼馴染。

一体どうしたんだろう。


「コウくん……今なんて言ったの?」


「ふぇっ?」


あまりの冷たさに、変な声を出してしまった。


「私じゃ……ダメなの?」


本日二度目。

瞳をウルウルさせる香幸。

今にも泣きそうだ。


「えっ……いや、そう言うわけじゃ……」


なんとか誤魔化す俺。

が、俺が誤魔化せば誤魔化すほど、彼女の涙はどんどん溜まっていき──。


「コウくんのばかぁ!」


走って、部屋を飛び出してしまった。


「……」


ああ、どうしよう。

さっきは勃たないと言ったけど、あれは嘘だ。

今にも俺のアソコ……アソコだと言い方が卑猥すぎるな……。

ちょうど日本史やってるし、石棒[1]とでも言っておこう。

[1]石棒……男性器を模したと考えられる特殊な道具。

俺の石棒は暴発しそうである。

さらに不幸な事に、今俺が履いているのは学校指定のズボン。

ベルトで固く締めている。

つまり、噴火直前の石棒をズボン+ベルトが締め付けているから、とてもじゃないがかなり苦しい。

ここが俺の部屋ならすぐにでも処理できるのにな……。


「くそ……」


お茶を飲んで鎮めるか。

でも、お茶もそんなに残っていない、


「……くそ」


俺が苦痛に耐えていると、勢いよく階段を駆け上がる音が聞こえてきた。

この足音から察するにおそらく香幸だろう。

くそっ、こんな時に……。

俺は深呼吸をして、なんとか冷静を装う。

が、石棒はギンギンだ。

外から見ても分かるほどに。


「……机で上手く隠すしかないな」


深呼吸。

足音。

深呼吸。

足音。

深呼吸。

そして、ドアが開く。


「お待たせ!」


「……ッ!?」


俺は吹き出しそうになった。

何故なら、彼女が着ていたのは──。


時期外れにも程があるだろう。

白色のビキニを着ていたのだ。


「……」


まずい……。

非常にまずい……。

石棒がさらに反応してしまう。

いや、俺の愛蔵雑誌のお陰か。

そこまでは反応しなかったな。


「……」


ただ、これ以上居られると俺の理性が保たない。

非常に残念だが、さっさとご退場願おう。


「……どう?」


恥ずかしそうに告げる香幸。

俺は心を鬼にして告げ……告げれなかった。


「……フッ」


代わりに出たのは、鼻で笑うような声。

たぶん、理性で治めようとした拍子ででてしまったのだろう。


「ひっどーい! こうなったら、無理やりでも振り向かせてあげる! そこに居てね!」


すると、何を勘違いしたのか、再びドタバダと部屋を出て行った。

……アレが学園のアイドルってマジかよ。

くっそ可愛いじゃん。


それから数分が経つ。

次に香幸が着てきたのはメイド服だった。


「如何でしょうか? ご主人様」


「おい……どこで覚えてきた。 そのセリフ」


俺の持っている雑誌のメイドキャラにそっくりなんだけど……。


「ご主人様の寝台の下と本棚の裏にあった雑誌集でございます」


「……」


見たな。

……二回も見たな、

母さんにも見られた事無かったのに……。


「……」


くっ。

辛い……とても苦しいが、こうなったら、絶対に勃たないって言い続けてやる。


「ま……」


「ま?」


「まだ……まだ……だな……フッ……」


我が石棒よ。

治りたまえ。


「左様でございますか……では少々お待ちください」


そう言って、退出する香幸(メイドver)

今度は何をするつもりなのか。

期待半分、苦しさ半分で、俺は彼女の後を見送った。


「……もう死ぬかも」


それから数分が経ち、再び扉が開く。

三度目の正直。

もう限界なんだけど……。

元に戻ってくれ……。

しかし、俺の願いが叶うはずもなく、幼馴染はとんでもない格好でやってきた。


「……どう?」


赤を赤らめて恥ずかしいそうに告げる香幸。(ニ回目)

俺は何も答えられなかった。

だって……。

だって、彼女は……。

だって、彼女は裸エプロンと言う格好をやっていたんだもん!


「……何か言ってよ」


香幸が衣服を着けず、真っ白い布一枚だけを羽織った状態でいる。

命綱は背中で蝶々のように結ばれている長い糸だけ。

つまり、それを解けば、見えるのは──。


「……」


……やばい。

……非常にやばい。

俺の石棒は早く出せと言わんばかりに膨らんでいる。


「コウくん……これでもダメ?」


赤面した幼馴染が不安そうに訊ねてくる。

ただでさえ、危ない状態なのに、それに追い討ちをかけるように赤面と涙目になる香幸。

ここに至って、首を横に振るほど俺の理性は強くなかった。


「いや……そんな事はない」


俺の言葉に良かったと安堵の息を吐く香幸。

そのまま去ってくれ。

もう限界だ。

長く息を吐く。

しかし、香幸はその場でずっと立っている。


「……どうしたんだ?」


「いや、そのね……」


モゾモゾとする香幸。

あっ、これはもうダメだ。

石棒の栓が緩まろうとした時、彼女は顔を赤らめてこう言った。


「コウくん……しよっ?」


「……ああ」


赤面のまま、俺たちは顔を近づけ──。

この後の記憶は残っていない。

ただ、分かるのは、俺と香幸が裸同士でくっつき合っているのと、彼女のベッドの白いシーツに赤い斑点が付いていること。

そして──。









「ふふっ、計画通り……今夜は赤飯ね」


ドアの隙間から伝わってくる一つの視線だけだった。

お読みいただきありがとうございました。

ほんと、どうしてこんなのを書いたんだろう……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白かったです。 ぜひ 連載化にしてほしい!短編で終わって欲しくないです。
[一言] 過ぎたことは忘れろ、そして賢者になれ
[良い点] おいおい、そんなストライクゾーンぎりぎり攻めて良いのかよ! フォワボール(ノクターン送り?)になるぞw [一言] ありがとうございますm(_ _)m
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