漫才・コント大賞参加作品『ヒッチハイク』
二人「どうも○○です。よろしくお願いいたします」
ボケ「先週珍しいもの見たんだよ」
ツッコミ「何を見たの?」
ボケ「ヒッチハイク」
ツッコミ「へぇー、ヒッチハイク」
ボケ「それでな、俺もヒッチハイクで日本横断とかしてみたいなって思って」
ツッコミ「日本横断とは大きく出たな」
ボケ「それでめっちゃブレイクして」
ツッコミ「は? いきなり話が飛躍したぞ」
ボケ「それでCDとか出して日本レコード大賞が取りたい」
ツッコミ「いや、いたけれども! ヒッチハイクで横断して、めっちゃブレイクして、CD出して日本レコード大賞を取った人はいたけれども! ヒッチハイクしただけでなれるもんじゃないぞ!」
ボケ「それでさぁ」
ツッコミ「いや聞けよ!」
ボケ「いきなり日本横断ヒッチハイク始めるのは心配だから練習に付き合ってくれない?」
おもむろにボケがスケッチブックを取り出す。
ツッコミ「練習ぐらいならいいけど」
ボケ「やったあ。じゃあ俺がヒッチハイカーでお前もヒッチハイカーな」
ツッコミ「俺もヒッチハイカーでどうする! 確かにヒッチハイクでブレイクしたのはコンビだったけれども! 俺が車の運転手やらないと練習にならないだろ!」
ボケ「そうか。じゃあよろしく」
ツッコミ「わかったよ」
ハンドルを握る動作をするツッコミ。
ツッコミ「ブーン。お? あそこにヒッチハイクしてるやつがいるな」
スケッチブックをめくり親指を立てるボケ。
ボケ『東京』
ツッコミ「東京か。よし乗せてやろう」
ボケが立てていた親指を下に向ける。
ツッコミ「おい! ケンカ売ってんのか!」
ボケ「ここに止まって欲しいと指差しただけなんだが」
ツッコミ「立てた親指を下に向けたら意味が違うから! やめとけ!」
ボケ「そうなのか」
ツッコミ「今からそれで心配になるな。ブーン。あそこにヒッチハイクしてるやつがいるな」
ボケ『いばらき? いばらぎ?』
ツッコミ「そこで質問するな!」
ボケ「どっちかわからなくなって」
ツッコミ「確かに間違われやすいけれども。そういう時は漢字で書いとけ。ブーン。あそこにヒッチハイクしてるやつがいるな」
ボケ『アメリカ』
ツッコミ「海外! 日本横断はどうした!」
ボケ「俺は日本という島国におさまりきる男ではない」
ツッコミ「かなり強気! いやいいけどね。でも先に日本横断をやりとげろ。ブーン。ヒッチハイクしてるやつがいるな」
ボケ『愛』
ツッコミ「愛? 愛知県か?」
ボケ『してます』
ツッコミ「愛してますって告白かよ! 誰に向けての告白だよ!」
ボケ「美人運転手」
ツッコミ「馴れ初めはヒッチハイクでしたってそんなうまくいくわけないだろ! ブーン。ヒッチハイクしてるやつがいるな」
ボケ『デート』
ツッコミ「だからナンパをやめろー! 次こそちゃんとやれよ! ブーン。ヒッチハイクしてるやつがいるな」
ボケ『あの世』
ツッコミ「怖いよ! 行き先はあの世って峠に出て乗った車を事故らせようとする幽霊かよ!」
ボケ「俺たちは死ぬまでコンビだからな」
ツッコミ「重い! 嬉しいけどコンビ愛が重い!」
ボケ「これで練習は完璧だな。俺たちも売れっ子芸人間違いなしだ」
ツッコミ「だからヒッチハイクだけで人気は出ねえよ! もういいわ」
二人「ありがとうございました」