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第一小話 : ファイターでリーダーのダイオ・テーリル

2人目、行ってみよー!


痺れて動けなくて、笑ってみたけど。

ちょっと木箱を持ってただけなのに、情けなく思っているカインの目端に涙が見える。


あ〜、ウルウルしてきたよ。どかしてやって。

触ると痛がるからダイオが困ってるし。

我慢だ、カイン!


ここは雪山の麓の管理小屋。冬の雪が積もってヤバい時に、山と小屋の管理をする代わりに寝泊まりさせて貰っている。

もうかれこれ冬拠点にして、4年過ぎた。

大分デカい小屋で。爆破解体業兼古代遺跡研究員の大工もできる男が作った、椅子やテーブルや2段ベットや釜戸がある。

衝立をいくつも作り、若干の部屋わけも出来ている。雪が少なくなると人口密度の高い街の近くに、テントを貼って冒険生活が始まる。

夏場は山で狩りをする冒険者が、村長に代金を払って素泊まりで山小屋を利用したりするので、彼らに少しだけ宿泊費の一部がいったりする。村で買い物するのに使えてありがたかった。

屋根裏を作り倉庫にして、冬以外は自分達の荷物置き場にさせて貰っている。良い村と出会えたと感謝しよう。


「も、そのままおぶってろよ。囲炉裏の前で邪魔」


ダイオの背中から動けないカインの顔を覗き込み、ダイオの方に顔を向けて魔法が使えるファイターは、手に持った串の刺さったジャガイモを振る。


「はよ退け。」

『しっしっ』


2人に向かってついでに手も降ると、足でダイオをどかそうとグイグイする。

イヤ、動かんて。

ダイオの幼馴染のガウ。魔法が使える剣士。全属性の。髪はブラック。

襟足が長めのウルフヘアで胸の上までの長さ。前髪の一部が赤くなってて、染めてる感じはしない。

はっきり言おう、「麗しい」という言葉が実にピッタリな風貌をしている。

その向かいに座って、人参の皮をむいてるオレンジの盗賊、シーネ。背が高くてスっとしてて美人だ。

胸もある、かなり。筋肉もしっかりついている。根野菜をぴっちり詰め込まれた、ごっつい木箱を片手だからね。オレンジ髪のからかうのが日常業務のシーフだ。

2人はよく揃って同じことを言う。

今は、ガウが言うセリフにシーネが合わせて。手振りも付けてニマニマしている。

2人にあっち行けとやられて、やれやれという顔でダイオは背中にいるカインに手を回し。意を決して、ガシッと手でつかみ。

自分の背中にカインの体を押さえつけ囲炉裏の前から退いていく。


「わっわっ!イタッ!痛いですっ!」

「じっとしてろよ」

「う〜動くとまだ痛いですー!」

『早よはよ連れてって』

「ヘイヘイ」

「イタタっ」

『子守り大変ね♪』

「あほ」


ダイオ・テーリル、22歳。焦げ茶のツンツン頭でブルーアイ。

ガタイが良く足腰がしっかりしている。ヤンチャなお子さん達が連続不意打ちタックルしても、ブレない。酔っぱらいのタックルにもブレない。

背も高く、パーティーの中で2番目だ。1番は爆破解体業兼古代遺跡研究員のラダム。無口で静かに働いている。

ガウがダイオの鼻下位で、シーネがそれよりちょい上。カインはダイオの鎖骨の所に後頭部が当たるのはまだ先になるだろう。

小さい。

家族構成は祖父母、両親,弟妹×2。面倒見のいいお兄ちゃんは毎日忙しい。自分以外はみんな2番目か3番目だから、なおのこと忙しい。


「ダイオも食事の準備手伝ってくれますか?(ニッコリ)」

「あ、降ります!降ります!ありがとうございます!」

「牛肉のスジ煮込みにしようかと、思うのですが(ニッコリ)」

「はいはーい!トマトベースが良いでーす♪」

「俺は醤油で甘いの」

「甘いのかー、カレーが良いな」


私は牛すじはおでんで。

3人のバラバラな要望に、にっこり微笑み。囲炉裏で焼けていくジャガイモを見つめ、シーネの要望を採用するセレナ。


「カイン。スジの下処理をしてください。

シーネは野菜を井戸で洗ってきてくれる?(ニッコリ)」

『了解です!セレナさんっ』

「ホイ、じゃ行ってきマース♪」


シーネの声が自分と一緒だったのに気づき、嬉しそうにシーネの背中を見る。雪の中の井戸は寒い。井戸の水は暖かいが冬の水仕事は厳しくて誰もが嫌がるだろう。私もイヤだ。

料理の陣頭指揮をとっているのは、セレナ・ジェラール、24歳。

精霊使い一族の、本家の家長の弟の孫。4人兄妹の3番目。下に弟が1人いる。黒髪ロングのストレート、微笑みが怖いお姉さんだ。綺麗なのに金の瞳が怪しく光って微笑む姿は、かなり。いや、だいぶ近づいては行けない感じがする。

大きさはガウより小さく、カインよりデカい。ガウの顎あたりに頭があるかな。

ガウが「麗しい」なら、セレナは「美しい」

ガウが「艶っぽい」なら、セレナは「魔女っぽい」

シーネが「明るい、元気、太陽なオレンジ盗賊」なら、セレナは「真面目、堅実、人見知り、引きこもりな夜の術師」

シーネが「大盗賊団の3兄妹の2番目の長女でピカイチ」だったら、セレナは「精霊使い界トップクラスの一族内、最強術師」

うん。怒らすと怖そうだ。



「サラダも作っとく?セレナ♪」

「そうですね、じゃがいもが大量にありますからそれも使いましょう(ニッコリ)」

「おっけー♪ガウーこっちの釜にも火ちょうだい♪」

「はいよー(火魔法縮小版仕様)」

「パン焼くぞー、火〜」

「はいはい今行きますよ〜」


・・・火。

シーネに呼ばれ、ダイオに頼まれ。ガウは今日もご飯のために頑張る。食いしん坊か?

3人がそれぞれ作ってるのを横目で見ながら、カインがカタンと音がした入口の方を見る。

ラダムかな?


「・・・すまん。・・・開けて来れないか?」

「はいっ!」

『狼かもよー♪食べられちゃうぞー♪』


また2人揃っている。

入口の戸を開けて、カインは爆破解体業兼古代遺跡研究員のラダムの雪を払う。

上の方届いてないけどね。


「おかえりなさい、ラダムさん。雪がまた降ってたんですね。強かったですか?」

「・・・ただいま・・・・・・・・」

「もうすぐご飯ですよ!今日は牛肉ですよ!」

『スジ肉だけどね♪』

「・・・・・・・・・・・」


うん。無口にも程があるよ?


ラダム・ドガ。25歳。見た目は明るい茶色の髪に茶色の目。髪の毛を後ろで縛り、小さいしっぽができている。シーネが冒険者になって半年がすぎた時。古代遺跡研究員だったラダムと、遺跡内の宝物庫で鉢合わせしたのが最初。なんだかんだとさらに半年の間に何度か鉢合わせし、自分が苦労して入った宝物庫に先にいた男とコンビを組むことにしたのだった。

嫌がるラダムを無理やり引っ張り回し、冒険者試験を受けさせ。パーティーメンバーを募集中のセレナ達に会ったのだった。

シーネは自分と正反対のセレナに一目惚れだった。


シーネ・メディウム、20歳。オレンジのウェーブがかかった肩上までの髪に、冒頭でも伝えたが、スっとしてて胸が大きい綺麗な

シーフだ。瞳はブラウン。3兄妹の2番目、兄と妹がいる。じいちゃんばあちゃんが両親とともに一緒にいて、元気だ。

実家は大盗賊団で、トレジャーハンターとも呼ばれている。親戚も多い。大家族特番が組めるほどに。


ガウ・レイン、22歳。魔法が使える便利な剣士、小さい頃からカインとはまた違った可愛さがあり。美少女だった。

カインは「元気でお転婆な美少女」

ガウは「物静かで大人しい美少女」

今は「口の悪い、喧嘩っ速い麗しの君」

うん。未だに女だと思ってナンパされてるのは、カインにだけは内緒にしときたい男だ。瞳は黒。姉と、妹と弟がいる。


『ラダム、おかえりなさい(ニッコリ)』


雪のなか。仕事から急いで帰って来た無口な爆破解体業兼古代遺跡研究員の男を、暖かい囲炉裏の前に座らせて。

今日の報告会兼晩ご飯が始まる。




はい!当初の予定では、ダイオだけの紹介でした。

いざ蓋を開けてみたらそうじゃなかった、と。

台詞。「 」が1人です。『 』が2人もしくは複数。

同時ツッコミやセリフがドンピシャだった時に出現します。

あと、『 』がガウやダイオ、カインなどの声に合わせた時。

『 ♪ 』が台詞に付くと、シーネの声に合わせた時。


「(ニッコリ)」は、微笑みです。セレナの微笑みです。

嬉しい時も、怒ってる時も。微笑みます。最強です。

パーティーの中で1番強いかも。触らぬセレナに祟なし。


ん。それにね。なんだろね、あの魔法が使える剣士なガウくんはシーネちゃんのセリフに合わせてポーズも同じで完璧なんだよ。

麗しすぎるから、世の男性人から誤解を受けるよね。うん。


では。次、行ってみよー♪


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