2019/03/31(7)
7
1時8分、全員が着席した。
「今回の初顔合わせの流れを簡単に説明しておきます。まず、各学年の主席、
シルバーズと学年主任の自己紹介をしてください。そのあと、各学年の昨年の好評と
今年度の運営方針の外観案を提示してもらいます。最後に、高等部全体としての
運営方針を少しみなで議論して、今日の会は終わりです。ほかに議論すべき議題を
持っている生徒あるいは教職員はいますか。」
沈黙が数秒続き、木雷が頷いた。
「それでは始めましょう。239期生からどうぞ。」
(さあみんなの練習の成果を見せるときだよ。)
白旗が後ろから見守る中、愛、正雪、光希が立ち上がった。あれだけ練習した自己紹介の
一回目だ。正雪がふっと息を吸ってから口を開く。
「239期生高等部1年シルバーズ金子正雪と申します。」
「同じく、239期生高等部1年シルバーズ菊高光希と申します。」
「239期生高等部1年主席水晶愛と申します。239期生高等部1年を代表し、この場でご挨拶
させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」
愛の礼に合わせて正雪と光希が練習通りの完璧なパフォーマンスを見せた。
(これでいい。初めてにしてはじょうできよ。)
主席とシルバーズの自己紹介はそれだけでその三人の個性を周りに示してしまう。主席と
シルバーズは学年の顔になる。その三人がぱっとしないとそれは学年のイメージダウンに
つながるのだ。愛はそれをよく理解している。理解しているからこそ、自己紹介は
徹底して正雪と光希に叩きこんだ。
「高等部1年担当、担当教科は国語です。239期生高等部1年学年主任白旗「霞」です。
どうぞよろしくお願いいたします。」
1年生と白旗が着席した。
「では238期生お願いします。」
「はい。」
米が立ち上がり、あとのシルバーズも立ち上がった。
「238期生高等部2年シルバーズ花岼計と申します。」
「おなじく、238期生高等部2年シルバーズ承雨貴湯と申します。」
「238期生高等部2年主席美東米と申します。238期生高等部2年を代表し、この場でご挨拶
させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。」
米たちが礼をして着席した後、百八がたちあがった。
「高等部2年担当、担当教科は数学です。238期生高等部2年学年主任百八「絵麻」と
申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
木雷が3年生を見た。
「では最後に237期生自己紹介を。」
「はい。」
鉄、守、ジョージが起立した。
「237期生高等部3年シルバーズ火西守と申します。」
「同じく237期生高等部3年シルバーズ公明ジョージです。」
「そして私が、237期生高等部3年主席、高等部学生最高責任者強歩鉄と申します。
237期生高等部3年を代表し、この場でご挨拶させていただきます。どうぞよろしくお願い
いたします。」
3年生が座り、気四田が立ち上がった。
「高等部3年担当、担当教科は書道です。237期生高等部3年主任、並びに高等部副主事
気四田「件」と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
気四田が着席し、木雷が立ち上がった。
「では最後に私から。」
木雷がふっと息を吐いて話始めた。
「2019年度高等部部主事、高等部最高責任者木雷「誠世」です。昨年の高等部は過去
まれにみる醜態をさらしてくれました。今年かならず名誉を挽回しなければ、成功学園
高等部に威厳が戻ることはないでしょう。歴代の偉大なる諸先輩方が毎年毎年丁寧に
積み上げてこられた成功学園高等部の威厳や品格を、あなた方の世代が簡単に壊すことが
許されると思いますか。許されるわけがありません。数日前開かれた幹部会に出席した
際、多くの卒業生から厳しいお言葉をいくつもかけられました。これ以上成功学園
高等部の輝かしい歴史に泥を塗るな、傷をつけるな、不必要な歴史を刻むなと。
よろしいですか。あなた方の行いは成功学園高等部を卒業されたすべての先輩方の
イメージにも直結するのです。また、これから入ってくる後輩にも絶大な影響力を
持ちます。自らの行動、判断に責任を持ち、成功学園高等部四季秀会会員として何一つ
恥ずかしくない行いのできる生徒でいてくださいね。」
木雷が席に着いた。
(言っていることは的を得ているわね。)
これが2019年度の高等部四季秀会の会員だ。愛がゆっくり一人一人の顔を見回した。
(空気が重い。例年になく空気が重い。昨年の失敗が空気を一層重くしているわ。)
愛が木雷を見た。
(怖い顔してるものねえ。)
愛が正雪を見る。正雪は紙に各学年のシルバーズと主席、学年主任の名前、部主事の
名前などを綺麗にまとめて書いていた。一方光希は、特にメモを取ることもなく、
ぼーっと自己紹介を聞いていた。
(このメンバーでどこまでやれるかね。)
「では、次に移りましょう。」