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喋ったら、死ぬかも知れない。だから俺は、喋りまくる。  作者: 中田翔子
政治と保護

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男だらけの生着替え大会

這い出るようにして役所を抜け出し、待たせておいた雑兵のひとり、ハチベエのワゴンに乗り込む。


「でもどうしてあっしのワゴンで最後まで逃げ切らないんです?あっしは旦那を街の外までお送りするくらいわけないんですぜ」


ハチベエが、商人(あきんど)感の強い喋り方で問う。


「いや、それやとあかんねん。たぶん、じきに検問が始まる」


「じゃあ最初からバスに乗っていた方がスムーズなんじゃ」


「俺もそのつもりやったんやけど。あんたは保険兼ダミーとして置いておいて、バス直行っていう。でも作戦変更してん」


「なんでまた」


「どうやら服を買えんくなるらしくて」


重役たちは、雑兵たちを取り押さえた後、関係各所に通達するだろう。


バス会社は、8階から階段で降りたあとバスに走りこんでくる息を切らした奴がいたら即捉えよと。


衣料メーカーには、変装用に服を買いに来るやつがいるだろうから要チェキだと。


「ははあ、なるほど。それで、最初はあっしの車で行けるところまで行って、息が整ったところでバスに乗ると」


「頭ええねあんた」


「ハチベエと言います」


イヴは後部座席でこうべを垂れたまま、じっとしている。アケビは気を揉んで、明るく振る舞う。


「やから申し訳ないんやけど、服脱いでくれへん?」


「ぎょっ?」


「ギョッとするって言うけど、ほんまにギョッて言う人初めてみた」


「でもあっしのもボロですぜ?」


「むしろ新品のほうが怪しいからな。ありがとう」


と、路肩に止めたワゴン内で男同士のドキドキ生着替えが始まった。


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