表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
喋ったら、死ぬかも知れない。だから俺は、喋りまくる。  作者: 中田翔子
政治と保護

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/51

思い込み、思い詰め

ーー関所。

イヴが何か書類のようなものに、何やら記号のようなものをさらさらと記述すると、その紙をポストのようなものに投函した。

それを見届けた関守は、関所の奥へと入っていった。



あれ。



ーータオの解説。

「イヴに課せられた極秘ミッションは、この村に言葉を提供する生贄を連れて帰ることだったの。関守は村長に買収されて黙認していた。だから生贄のあんたがこの村に来たことは、私たちしか知らないの」


あれ。


俺は。俺たちはなんちゅう思い込みをしておったのだ。

この村に秘密裏に入れられた。

つまり、勘当されたとはいえ、まだ東海都に籍があるではないか。

それを俺は平然と村人面をして、へらへらとこのところ過ごしてしまっていた。

もはや、生まれも育ちもこの村だったんじゃないかというような居心地の良さに安心しきっていた。あほ丸出しである。


皆んなも言うてくれたらよかったのに。

気づいてなかったんなら同罪やけど。

もし1人でも気づいてる奴がおったとしたら、俺は勇者なのに、勇者にも関わらず、策を労せ策を……と必死に手をこまねいていたただのチキンではないか。なんたる恥。恥さらし。末代まで恥。


気づいた時には、思い込みによって追い詰められていたのだ。


「ど、どうしたのよアケビ」


「タオ……はさすがに気づいてないか」


「なにが? なにがよ」


「いや、何でもない。気づいてても恥ずかしいし、気づいてなかったんならそのままでいてくれ」


アケビはそう言い残し、八百屋を飛び出した。


そのまま、関所を抜けた。





「イヴ様、このままで良いのですか」

サチは言う。サチは、イヴの付き人として、行動をともにしていた。

「……」

イヴは、高座に上がる時以外は、頑なに口を開こうとはしない。それを分かってなお発されたサチの言葉は、独り言に近かった。


イヴは気づかぬうちに、無言で思い詰める日々に追い込まれていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ