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喋ったら、死ぬかも知れない。だから俺は、喋りまくる。  作者: 中田翔子
テロ計画

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20/51

計画の穴

サチは辛抱強くイヴを看病した。

イヴは三日もすれば十分回復できるほどではあったが、せっかくサチがそばにいてくれるということもあり、甘えることにした。

サチは看護師や医師ともコミュニケーションを交わし、イヴを安心させるように終始した。

しかし、皮肉にも、言葉の患者の一人目が病院内に現れることとなる。


一人目の患者は6歳の少年であった。少年は、自転車で転び、骨を折って入院していた。念のためと入院時に検査を行ったが、骨折以外に目立った外傷は見られず、脳にも異常はなかった。

だが若干6歳、言葉歴4年ほどのボキャブラリーでは、2日と保たなかった。

そのことが発覚したのがちょうど看護師と話していた時であったため、発見が早かったことは幸いだった。

すぐに検査をしたがやはり脳に異常は見られなかったため経過観察としたが、二人目が現れてからの行動は迅速であった。国から直々に通達があり、隔離するよう指示があったのだ。

指示通り、この二週間程で病院に立ち入った者はもれなく病院に隔離され、監視がつけられた。病院への出頭を拒否する者には容赦ない措置がとられた。

イヴが入院する病院は数日の間に収容所のようになった。

「大丈夫だから。安心しな」

サチは声をかけてくれる。計画通りであるにも関わらずイヴは苦しかった。



全てが計画通りというわけではなかった。

国を挙げてこの町までも隔離政策を行ったが為に、関所のセキュリティがより強化され、いよいよ村との往来が難しくなったのだ。

「どうすんねんおっさん」

アケビが村長を糾弾する。アケビが声を荒げることは珍しいことだった。

「いまは、祈るしかない」

発案者である村長も、難色を示した。

本来であれば、一人目を確認したのち、感染が広まる前にイヴは帰還するはずであった。

しかしイヴからの連絡は途絶え、ただただ関所だけが固められたとなると、次の段階へは足踏みすることになる。

なぜなら、イヴがテロ行為の実行犯として捕縛された可能性があるからだ。

「あと三日待つ」

村長は、低い声でそう言った。



「アケビ、何とかならないの」

タオが縋るように言う。このままだとイヴだけでなく、この村自体が処分されかねない。

ゴトウさんはこの事態を代表達に話すべく、村会議に出ている。

いつもは賑やかな八百屋にタオのすすり泣く声だけが響く。

「イヴ奪還計画……」

少年漫画のような響きを声に出した時、心の中が少し動くのをアケビは感じた。

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