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喋ったら、死ぬかも知れない。だから俺は、喋りまくる。  作者: 中田翔子
突破口

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イヴの憂鬱

夕食が終わった。

ナオヤが作る晩御飯はいつも美味しい。

今日はデザートにいちごのゼリーを出してくれた。特別配給があったらしい。

甘味料の味が舌に残っている。

不自然に甘いその感覚を、いつまでも口の中で転がした。

おじいちゃんに呼ばれているのだった。

アケビは一人で何やらぶつぶつ言っているし、タオはそわそわしながら食器を落としたり椅子の背もたれに肘をぶつけたりしている。

そんな少しいびつな空気を感じながら、部屋をあとにした。

商店街を歩く。

役場まではそんなに距離もない。

歩き慣れた道。



「イヴ帰ってきたん? 」

アケビが不思議そうな顔をして訊いてくる。


「やっぱりお前、イヴちゃんが出掛けてんの知ってて……」

ナオヤが顔を赤くしてアケビにつっかかっている。


「いまさっきタオに聞いたんですって。で、泊まるのやめたのか」

アケビが訊いてくる。

私は首を横に振る。


「じゃあどした? まさか村長に何かあったんか? 」

私は首を縦に大きく振る。

その場にいた全員の動きが一瞬停止する。


そこから八百屋を空けて、全員で役場へと向かった。

村長室に着くと、おじいちゃんは床に伏していた。虫の息だった。


「村長。大丈夫か? 村長? 」

ナオヤが強く問いかける。が、返事はない。


「爺さん死ぬなよ」

アケビはそう呟いて、その場に座り込んだ。


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