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第三話 現実世界のありがたさを今に知る

 異世界生活3日目。

今日も森で食べられそうなものを探すお仕事だ。

腹が減りすぎて「あれ、この虫みたいなのって食えるんじゃね?」とか思ったけどそれは最終手段だ。

虫を食うくらいならまだ果物を探す方がいい。


 昨日果物を見つけた場所で、赤い果物を5個とヤシの実モドキを5個手に入れる。

持っていく分はこれだけにして、あとはここに残っている分を1つだけ残して食べてしまおう。

全部食べてしまったら今後この辺りに果実が育たないかもしれないし。

でもこの果実だけ食ってて大丈夫か、俺。

腹は膨れるが栄養的な問題は大丈夫なのか……はたまた疑問に思うが仕方ない。


 肉が無性に食べたい気分だが、ここに来てまだ獣らしい獣を見ていない。

存在すら危うい。

川を見つけて魚を探す?

その前に川がねえんだよって話。


 家に戻ってベッドに寝る。

よく考えてみれば、家があることの恩恵は大きい。

雨風を防ぐことができて、さらには体を休める寝床まである。

なんと幸せなことだろう。

これで蛇口を捻れば水がでるとか、ボタンを押せばお湯が湧くみたいなシステムがあれば完璧だ。

そんなもんないっての。

知ってる知ってる。




 俺が心地よく寝ていると、爆発音のようなものが外から聞こえた。

なんだなんだ、一体何が起きたっていうんだ?

慌てて外に出てみると、遠くの方が異常に明るくなっている。


 あれは炎だ。

どうやら何かが爆発して火事になったみたいだな。

この街もそれで滅びたみたいだし、頻発してるのかこの現象は。


 そうなると、あの遠くの方にある街には行かないほうがいいかもしれない。

もしかするとこの街みたいに滅んでしまうかもしれないし、俺が行く頃には生活のレベルが下がっている心配もある。


 と言っても他に文明が栄えていそうな場所を見つけるのにも苦労しそうだ。

飯も無いのにどうすんだろうなぁ俺。

あまりにも余裕がないのに寧ろイケるんじゃねという気分になってくる。

そう、テスト前に勉強しなすぎて寧ろテストで良い点数を取れるような気がしてくる現象ですね。


 ということはしばらく俺はこの街で生活しないといけないのではないか?

飯もないし水も果実だよりのこの生活はあとどれくらい続くんだろうなぁ。


 なんで俺は異世界に来てサバイバルしなければならないんだ。

もっとこう美少女とかとワーキャーやって平和だけど充実したい世界ライフを満喫したいわボケ。

見てるか女神?

いっそのこと俺をもう一回不手際で死なせてくれてもいいんですよ?

なんて夢は見ないで現実見よう。


Q.これから俺が生き延びるためにはどうすればいいでしょうか


A.食料か金を確保する


つまるところ飯に困らない生活を目指すのが最優先だ。

何度も言うけど飯と水さえありゃ生きていける。

明日は森のもっと深いところまで進出してみよう。

そうすればもう少し何か未来が見えるかもしれないしな。


 いや、でも予想してた異世界生活とは全く違うな。

というか情報がなさすぎてここがどんな異世界なのかわからないし。

言うなれば月が3つある異世界というだけで後は特に俺が住んでいた世界と何ら代わりのない世界だとも言える。


 もしかしたらこれから異世界的な要素が連続で襲い掛かってくるのかも。

ハチャメチャが押し寄せてきたら俺もうワクワクすっぞ。


 とにかく、今日はもう休んで明日の探索に命を燃やそう。

休まなければ、生き残れない!

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